Fetchの保険金請求データセットは、16年以上にわたって収集され、何十万頭もの犬をカバーしており、米国とカナダ中にいる純血種だけでなく、代表的な犬の混血種も反映していると、ルプル博士はいう。
このデータを機械学習や人工知能と組み合わせることで、Fetchは「あらゆる種類の犬の健康状態を高い精度で予測することができるツール」を作り上げたと、博士は語っている。
希少品種の飼い主にとって、このレポートは、獣医が気づかないような健康上の問題についての情報を提供してくれるかもしれないと博士は語る。
また、一般的な犬種の飼い主には、気をつけるべき問題点をアドバイスしてくれるそうだ。例えば、生後6カ月のトイプードルについて情報を入力したところ、トイプードルの子犬は異物を飲み込むリスクが高いことがわかった。
「これは、愛犬に与えるおもちゃの種類を教えてくれます。生後6カ月の今は、ロープのオモチャや引っ張るおもちゃなど、異物混入の可能性のあるおもちゃは一切与えていません」と話す。また、愛犬が歯の病気にかかるリスクが高いことを知り、より積極的に歯磨きをするようになったそうだ。
Fetch by The Dodoは、その新しい社名と、世界で最も視聴されている動物ビデオを制作しているメディア企業であるThe Dodoとの提携とともに、ミレニアル世代やZ世代に優しいサービスを提供するために、他のステップも踏んでいる。
「ここ数年、私たちはこの創業16年の会社を、ペットケア業界の爆発的な成長に乗じたものに変えるという使命を担ってやってきました」とガイヤルドは述べている。
「その成長の大部分は、主にミレニアル世代とZ世代による、パンデミック時のペットの増加によって促進されました」と彼は語る。
Fetchがミレニアル世代とZ世代を獲得するために着手した方法の1つは、技術に数百万ドル(約数億円)を投資することだと、ガイヤルドは述べている。「以前はインバウンドで電話をかけてエージェントと話す必要があったものが、今では手のひらの上で、アプリで、ラップトップで、チャットボットやライブチャットでできるようになりました。ミレニアル世代が望むビジネスのあり方だからです」と語る。
Fetchの健康レポートにより、ペットの飼い主は潜在的な健康問題をより認識することができ、その予防方法について「獣医師や獣医技術の専門家と実に知的な会話ができる」とガイヤルドは語る。
また、このレポートがあまり知られていないペットを対象にしていることにも価値を感じているようだ。人気のある犬種については誰でも語れるが「絶滅の危機に瀕しているスカイ・テリアについてはどうでしょうか? スカイ・テリアのデータを持っています。世の中にあるものよりも、はるかに包括的ですよ」と語る。
Fetchのレポートによって「あなたは情報を得ることができ、教育を受け、まったく異なるレベルでペットの世話をする力を得たのです。これは、すべてのペットの飼い主、特にミレニアル世代とZ世代に響くと信じています」とガイヤルドは語った。
(forbes.com 原文)