目には見えないほど小さなマイクロプラスチックが、人間が口にするあらゆるものに含まれているのだ。
今回は、私たちが食べているプラスチックの量とその問題点・解決策についてまとめていく。
食べているプラスチックの量
WWF(世界自然保護基金)がニューカッスル大学に委託して行った研究によると、私たちは1週間に5g、およそクレジットカード1枚分ものプラスチックを食べているのだそう。
もっと長い期間で見ると、摂取する量は1カ月でレゴブロック1個分、1年で消防隊員のヘルメット1個分にもなる。
いつの間にそんな量のプラスチックを食べているのだろうか?
詳しく見ていこう。
プラスチックの摂取経路
さきほど紹介した研究では、飲料水やビール、塩、貝類などからマイクロプラスチックが検出されている。
人は年間39000個〜52000個のマイクロプラスチックを食物とともに摂取しているのだ。
さらにマイクロプラスチックは空気中にも漂っており、呼吸で吸い込む量も考慮すると、年間74000個〜121000個も食べていると推計される。
マイクロプラスチックの問題点
現状、マイクロプラスチックが増加することの最大の問題は、海洋生物の生態系破壊である。
その小ささゆえにプランクトンまでもが餌と間違えて食べてしまうため、食物連鎖の過程で体内に蓄積されていく。
プラスチックを誤飲してしまうと、海鳥は消化管が詰まって呼吸できなくなり、カメは体内でガスが発生してうまく泳げなくなってしまうのだ。
人体への影響は?
結論、人体へのハッキリした影響は明らかになっていない。
しかし、マイクロプラスチックによって細胞が損傷したり、プラスチックに吸着された有害な添加物が入り込んだりするリスクが懸念されている。
最新研究では、人の血液からマイクロプラスチックが発見され、世界中で大きな話題になった。
健康な成人22人の血液を調査したところ、17人のサンプルから検出されたのである。