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(中略)
そんな猛烈な逆風が吹き荒れるなか、モイニハンと最高財務責任者のブルース・トンプソンは、果敢にも、バーコウィッツの電話会議に参加し、怒りに震える機関投資家とリテール投資家に正面から向き合った。だが、90分間に及んだこの会議で、モイニハンが投資家に示したのは、“特効薬”などといえるものではなかった。
 総資産2兆ドルのバンカメの進む道としてモイニハンが示したのは、コスト削減、非中核的資産の売却、自己資本の充実、顧客サービスの改善といった、なんともありきたりな戦略だったのだ。
 しかし、この時点でフェアホルム・ファンドの6%に相当する1億ドルのバンカメ株を保有していたバーコウィッツにとって、モイニハンが示した進路は十分なものといえた。事業の再生を図ろうとする企業への投資に精通したバーコウィッツの目には、この巨大金融機関の株価がこれから上昇することは間違いないと映ったのだ。
 バンカメの先行きを楽観視していたのは、バーコウィッツだけではない。この電話会議から2週後、ニューヨーク・オフィスに居たモイニハンは、ウォーレン・バフェットから一本の電話を受けた。
 バフェットは、モイニハンと直接面識があったわけではないが、自らの調査をもとに、バンカメに対し、50億ドルを投資することを検討していたのだ。モイニハンは、バフェットに「バンカメは深刻な自己資本不足に直面しているわけではない」との主張を繰り返した。つまり、「バンカメはバークシャー・ハサウェイの投資を必要としていない」と、言葉を選びながら伝えたのだ。
 そのときにバフェットが放った言葉を、モイニハンはいまでもはっきりと覚えている。「もちろん、そうでしょうとも。バンカメが本当に深刻な自己資本不足に直面しているのなら、お電話を差し上げることはなかったですよ」とバフェットは答えた。モイニハンが必要としていたのは、バンカメに対する信頼感の回復であり、バフェットによる投資はまさにそれを実現させるものであった。
「それから24時間以内に、バークシャーによる投資が正式に決まりました」とモイニハンは振り返る。
 バフェットにしてみれば、バンカメに対する投資は、ダウンサイド・リスク(株価を押し下げる要因)のほとんどない投資であった。バフェットが手に入れようとしていたのは、事実上、政府保証を受けている企業が発行する優先株であり、この優先株は、米国債を大幅に上回る、年間6%の配当の支払いが約束されたものだった。バフェットは、7億株の新株予約権も購入。バフェットが投資してからというもの、バンカメの株価は110%も大幅に上昇した。
(以下略、)

ハラ・トォーリヤライ

 

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