エリザベス女王の葬送の列にやじ、逮捕の男はアンドルー王子を非難

Photo Jane Barlow - WPA Pool/Getty Images

英スコットランドのエディンバラで9月12日、バルモラル城で9日に亡くなり、ロンドンに運ばれる途中のエリザベス女王の棺を載せた車と後に続いて歩く王室メンバーたちに向かって「やじ」を浴びせた男(22)が逮捕された。

男は女王の死去を受けて即位した新国王チャールズ3世とアン王女、エドワード王子と並んで歩いていた女王の次男、アンドルー王子に向かい、「病んだ老人」だと大声で叫んだ。警察によると、これは治安妨害罪にあたるという。

エディンバラに到着した女王の棺は、王室の公邸ホリールードハウス宮殿とエディンバラ城を結ぶ「ロイヤル・マイル」を通り、安置されるセント・ジャイルズ大聖堂に向かう途中だった。

英国では同日までに少なくとも4人が、女王の死去と新国王の即位に関連して逮捕されている。セント・ジャイルズ大聖堂の外では、君主制に抗議する言葉を書いたプラカードを掲げた22歳の女が逮捕・起訴された。ホリールードハウス宮殿の近くで逮捕された74歳の男も、同様にすでに起訴されている。

イングランドのオックスフォードで新国王の即位を宣言する行事が行われていた場所では、SNS上で「サイモン・ヒル」と名乗る45歳の男性が逮捕され、その後すぐに拘束を解かれている。

ヒルはSNSで、チャールズ国王の即位に反対していることとを「口に出しただけ」と述べ、公共秩序法への違反があったかどうかについて、自発的に調査に協力しているところだと説明している。

「ブーイング」の理由


アンドルー王子は未成年に対する性的虐待で起訴され、勾留中に死亡した米富豪、ジェフリー・エプスタインと交流があったことで国民の怒りを買い、2019年以降、王室の公務から身を引いている。

王子に対して米国で民事訴訟を起こしたヴァージニア・ジュフリーは、エプスタイン被告による人身売買の被害に遭い、17歳のときに王子から3回、性的暴行を受けたと主張していた。

審理は今年初めから行われていたが、エリザベス女王が軍におけるアンドルー王子の称号を剥奪したことを受け、原告は示談に応じている(和解金の額は、公開されていない)。

王子は公務から身を引いて以来、公の場にほとんど姿を現さずにいた。だが、昨年4月に父のフィリップ殿下が死去した後には、国内メディアのインタビューに応じた。

ただ、このインタビューにも、一部の視聴者が激しく反発。王子がエプスタイン被告が関与する事件や自身の性的虐待の疑惑に関する米当局の捜査への協力を拒んだとされていることから、「報道機関は王子に表舞台に出る機会を与えるべきてはない」と批判していた。

アンドルー王子は以前から、4人の子どものなかでも特に「母親のお気に入り」と言われてきた。複数のメディアは関係筋の話として11日、女王が亡くなるときまで飼っていたコーギーのうち2匹は、アンドルー王子と現在も同居する前妻のサラ・ファーガソンが引き取ることになったと報じている。

コーギーが大好きだったことで知られるエリザベス女王は、10代のころからペットとして合わせて数十匹を飼っていた。

forbes.com 原文

編集=木内涼子

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