米国・メキシコ国境を超える移民と、その死者数が急増

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国境を越えて米国にやってくる移民のなかで、メキシコ国籍は現在多数派ではない。つまり、中米からメキシコ経由で米国に向かう移民が増えており、これは、これまでメキシコ国籍が多数派だった傾向から見ると大きく変化している。その背景には、中南米の国々の政治的・経済的状況があると見られる。

アボット知事が率いるテキサス州は2022年4月中旬、米国への入国手続きを終えて解放された移民を、州外にバスで輸送する事業を開始した。片道の旅費を税金で負担することで、移民たちをワシントンD.C.やニューヨーク、シカゴなどに送り出そうとしたのだ。

アボットは移民のバス輸送事業について、バイデン政権による「タイトル42」廃止計画への抗議の一環だと述べた。ホワイトハウス側はテキサス州のバス輸送事業について、「メディアの注目を集めるための行為」だと非難している。

公衆衛生法の条項名をとった「タイトル42」は、トランプ政権時代の政策で、不法移民を即時送還する措置だ。バイデン政権はコロナ拡大防止を理由に即時送還措置を続けてきたが、2022年4月1日には、この措置を5月23日から廃止すると発表していた。

連邦裁判所の判事は5月20日、タイトル42の廃止に対しては法的に異議が申し立てられているとして、廃止計画の無期限延期を命じている。

(forbes.com 原文)

翻訳=遠藤康子/ガリレオ

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