TikTokで年間40億円を稼ぐ「ダミリオ姉妹」を生んだ家族の物語

Photo by Amy Sussman/Getty Images for KLUTCH Sports Group


2人の両親の出会いは1997年


姉妹の父と母のマークとハイディのカップルは、1997年にニューヨークのジムで出会った。マークはスポーツウェア会社のセールスマンで、ハイディはパーソナルトレーナーでモデルでもあった。
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2000年末にハイディがディキシーを身ごもると、一家はニューヨークから北へ1時間のコネチカット州ノーウォークのの家に引っ越し、娘たちを学費が5万ドルの名門私立学園、キングスクールに幼稚園から通わせた。2018年にマーク・ダミリオは、共和党員としてコネチカット州上院議員選挙に立候補し、落選した。

2019年にチャーリーは、TikTokで踊る動画を投稿し始め、急激にフォロワーを伸ばし、インディーズの音楽のレーベルから、75ドルの報酬を得て動画を投稿した。姉のディキシーは、最初はアプリのために踊る妹を恥ずかしく思っていたが、すぐに妹のファンベースを自分のものにした。

2020年1月、インフルエンサーとのコラボで知られるモルフェ・コスメティック(Morphe Cosmetics)が、数十万ドル単位の契約金を2人に提示した。この時点で、姉妹はノーウォークの自宅と、ロサンゼルスのコンテンツクリエイター集団Hype Houseのスタジオを行き来するになっていた。
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「私たち夫婦は、子供たちがSNSに参加することを必ずしも支持していたわけではなかった。幼い頃から子供に携帯電話を持たせるような親ではなかったが、2人が望むツールは与えていた」と、父のマークは話す。

パンデミックの中で、数百万人の若者がTikTokに押し寄せ、チャーリーのフォロワーは1日40万人から50万人のペースで伸びていった。2020年11月、TikTokは当時16歳のチャーリー・ダミリオが同社としては初の1億人のフォロワーを獲得したと発表した。

大手企業も2人の人気に注目し始めた。アパレル大手のアバクロンビー&フィッチ(アバクロ)のブランド「Hollister」は、姉妹を起用したブランドの「ソーシャル・ツーリスト」を立ち上げた。コスメブランドのMorphe(モーフィー)もチャーリーの香水Born Dreamerを発売した。

さらに姉妹の最新のベンチャーのダミリオブランズは、スキンケアや靴などの製品を開発し、TikTokやHulu、スナップチャットの姉妹のファン向けに売り込もうとしている。ダミリオ姉妹は今や、マイケル・ジョーダンのスニーカーやドクター・ドレーのヘッドフォンのTikTok版を生み出そうとしている。

業界初の試みである2人のベンチャー企業は、彼女たちのエンドースメント契約やブランド、番組の持株会社となり、ソーシャルメディアの最新トレンドを収益化しようとしている。ただし、2人の人気が一過性のもので終わる可能性も十分にある。

「だからこそ、私たちは今、自分たちのやりたいようにやっている。可能な限り、現状の勢いを利用しようと思う」と、チャーリーは言う。

ディキシーも同じ意見だ。「私たちの本当のパッションは、お金ではなく、自分たちの好きなことを世界に伝えることにある。でも、お金が欲しいと思う人たちを悪く言うつもりもない」と彼女は話した。

forbes.com 原文

編集=上田裕資

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