何の話かって? アップルのメッセージングプラットフォームである「iMessage」のことだ。iPhoneとAndroidの間のメッセージ送信は、まるでSMSの初期の時代に戻ったようなかなりひどいものであることは周知のとおりだ。「吹き出しの色だけの問題ではありません」とグーグルはいう。「解像度の低い動画、壊れたグループチャット、既読通知やタイピングインジケータの欠如、Wi-Fi経由でのメッセージ送信不可などが問題なのです」
しかし、これらの機能はあればどれも楽しいだろうが、背後にはもっと深刻な問題が潜んでいる。iMessageはこの1年、アップルのセキュリティ問題の中心的存在だっだからだ。同社のアーキテクチャを悪用した高度な (国家安全保障レベルの) サイバー攻撃が発覚したことを受け、アップルは同プラットフォームを強化した。しかし、まだ解決されていないもっと大きな問題がある。
国家レベルの攻撃についてはよく耳にするものの、これらはほんのひと握りのユーザーにしか影響を与えない。中国のサイバースパイから保護されることも大切だが、パスワードを再利用したり、危険なリンクをクリックしたり、メールの添付ファイルを気軽に開いたりする方が、ユーザーのデータや銀行の残高がはるかに危険にさらされることになる。
そして、それはiMessageでも同じだ。アップルはメッセージをサンドボックス化して、リスクの高い抜け穴を埋めているが、そのエンド・ツー・エンドのセキュリティは、ユーザーがアップルのエコシステムに囲まれている間しかユーザーを保護しない。メッセージの青い吹き出しが緑に変わった瞬間、すなわちAndroidのユーザーにメッセージを送った瞬間、すべては台無しになる。