13億のアップルiMessageユーザーにセキュリティに関する悪いお知らせ

アップルはiMessageに関する問題に取り組み解決することを頑なに拒んでいる


つい最近まで、これを解決する方法はなかった。グーグルには、iMessageに代わるものがなかったからだ。通信事業者は徐々に 「RCS (Rich Communication Services) 」 として知られるSMSを導入しているが、それでも通信事業者間でやり取りされる旧式のSMSアーキテクチャに依存しており、そこで交換されるデータは暗号化されないままだ。これを解決するために、グーグルが動いた。まず、ユーザー全体にRCSを普及させる責任を引き受けることである。そして、決定的なのは、エンドツーエンドの暗号化を導入することだ。

グーグルは今、アップルを公然と非難することで、iMessageの中にRCSを採用させるというミッションに取り組んでいる。グーグルは「アップルは壊れたものを直すべき」と主張する。「Androidユーザーにメッセージを送る時の悪い体験は、アップル自身が作り出したものです。しかしそれは、彼らがSMS / MMSからRCSに切り替えることで解決できるのです」

しかし、明らかにアップルは方針を変えようとしていない。アップルのティム・クックCEOは今週のイベントでiMessageとRCSに関する質問に答えて「現時点では、ユーザーのみなさんから、私たちにこの件に大いに力を注いてくれという話は聞いていません」と語った。それどころか「できたらみなさんにiPhoneに乗り換えてほしいですね」とさえ語った。そして、質問者が母親とのメッセージのやりとりに影響があるのだと訴えたところ「お母さんにiPhoneを買ってあげて下さい」といわれたという。



AndroidとiOS間のRCS相互運用を求める主な推進力は、セキュリティよりも機能性だ。つまりリッチなメッセージのやりとり、動画の共有、絵文字での応答などだ。「アップルはiPhoneとAndroid携帯の間のメッセージをSMSやMMSに変えてしまいます」とグーグルはいう「これは90年代、そして00年代の時代遅れの技術なのです」

OSをまたいだときのグループメッセージ体験も悲惨なものだ。「iPhoneはAndroidとのグループチャットに時代遅れの技術を使用しているため、チャットから離れたいときでも離れられないのです」

とはいえ、セキュリティの問題は非常にリアルなものだ。SMSメッセージは比較的オープンなかたちで送信されるため、傍受されたり悪用されたりする可能性が大きい。SMSの利用は、もっとも穏健なメッセージの送信以外には控えた方が良いだろう。
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翻訳=酒匂寛

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