だが、就任後5回目となる7日の決算発表会では、そうした言葉が聞かれなかった。発表された5〜7月期(第2四半期)決算は、ファーロングがCEOになってから初めて純売上高が前年同期比で減少に転じた。
ただ、投資家はそれよりも、同期の損失が予想よりは抑えられた点や、あわせて発表された暗号資産(仮想通貨)交換所FTXとの提携、次世代ゲーム機の発売で恩恵を受けるという見通しのほうに関心をもったようだ。
実際、同日の米株式市場で、決算発表前に4.2%下落していたゲームストップの株価は、発表後の数時間に12%反発した。
ゲームストップの同期の純損失は1億870万ドル(約156億円)、1株あたり36セントと、アナリスト予想の42セントより小幅にとどまった。一方、純売上高は11億3600万ドルと、アナリスト予想の12億7000万ドルを下回った。
これに先立つ4四半期は、逆に損失が市場の予想より膨らみ、売上高は予想を上回っていた。
また、5〜7月期の純売上高は前年同期比に比べて4%減った。
ファーロングは、純売上高が減少した理由については説明しなかったが、同社もほかの多くの小売企業と同様、ガソリン価格の高騰などインフレを受けた消費者の歳量支出抑制という逆風にさらされている。
ファーロングはその一方で、過去1年に行った投資や改善の結果、黒字化の達成や独自製品の発売、自社ブランドの新たな活用方法、店舗への追加投資といった一連の新たな優先事項に集中できるようになったと説明。黒字化に向けて支出や従業員数を適正化したとも語った。
また、決算発表会の冒頭では、株主の「比べるもののない熱意や支援」が自社にとって引き続き追い風になっていると言及し、それを「常に認識し、大切にしている」と強調した。
この日、ゲームストップの株価を押し上げたのも、こうした追い風の力だったということだろう。
(forbes.com 原文)