気がついてみると、パン好きだった田中社長。「幼い頃、帝国ホテルのパンケーキにハマったのを皮切りに、毎週のように祖父母が連れて行ってくれた箱根に向かう車内で食べるハムカツサンドの美味しさたるや!高校時代に声楽を習っていた芦沢文子教授からは、チーズと蜂蜜をたっぷり載せた紀伊國屋のパンをご馳走様になりました。その特別な蜂蜜は、オペラ歌手の恩師、栗林義信先生のご実家のものだったとか」と、パンに纏わる思い出が続々と。
学生時代から出演していた東京文化会館の精養軒のポークカツサンドを愛する一方、胡桃パンが絶品のパリのブラッスリーでは、胡桃の量がある日突然少なくなった事にショックを覚えて店員に伝えたところ、次回には元通りになっていてホッと胸をなで下ろした(笑)微笑ましいエピソードも。パン工場を経営していてパリにパン修行に出掛け、帝国ホテル料理長の吉川謙吉さんと交流のあったお祖父様のDNAが、田中社長に刻まれているのかも知れない。
コロナ禍を通して、地球上の変化や人の変化を目の当たりにしてきたという。
「緊急事態宣言が明けたり発令したりしていた最中。『パークサイドダイナー』のパンケーキを大和悠河と一緒に食べて『あー、全然変わらない味だー、良かった!』と、どんな時でも変わらない世界を感じる事が出来ました。
人が人である限り、変わらないものがあるのですが、『帝国ホテル』が食を通して、それを教えてくれたような気がします。いつもの味を口に運ぶと、どんなに疲れた毎日でも原点に戻してくれて謙虚な気持ちになれる。心から感謝しています!」
帝国ホテル
千代田区内幸町1-1-1
03-3504-1111