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2022.09.20 09:30

自営には多くの恩恵があるが決して「収入増」につながるわけじゃない

Getty Images

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仕事における自律性は非常に価値があり満足感が得られると長い間考えられてきた。しかし米ハーバード・ビジネス・スクールの研究では、自営は多くの益をもたらすものの、必ずしも収入アップにはつながらないことがわかっている。

自営業、そしてそれがもたらす自律性という概念の歴史は長い。2018年の調査では自営業者はフルタイムで働く人よりも仕事にやりがいを感じるだけでなく、より楽しんでいることがわかった。往々にして勤め人の同業者よりも労働時間が長く、仕事の安定性が低いことが多いにもかかわらずだ。

分析によると、自営業者は職場環境を刷新してコントロールする自由を享受しているため、より仕事に没頭しているという。

「仕事に没頭することで人々は活力を感じ、自分自身の貢献に満足することができる。なので、人々が仕事にどれだけ没頭しているかを測定することは幸福度を測る上で有用な方法であり、単に仕事の満足度を見る以上の評価をしなければならないことを示している」と著者らは述べている。

新型コロナの影響


もちろん、自営は確実性に欠けるという点も特徴で、今回の新型コロナウイルス感染症のパンデミック(世界的大流行)ではこの確実性の欠如の落とし穴が明るみに出た。英ロンドン・スクール・オブ・エコノミクスの調査によると、パンデミック初期に自営業者の労働時間と収入は大幅に減少し、その減少幅は他の労働者よりも大きかった。

夏にはいくらか回復したものの、労働時間、収入共にパンデミック前の水準を大きく下回った。実際、今回の調査に協力した自営業者の半数は8月になっても収入が月1000ポンド(約16万5000円)未満にとどまっていることが明らかになった。割合的には4月よりもわずかに低いものの、パンデミック前の33%を大幅に上回っている。

追跡分析によると、徐々に回復しているが、回答者の40%が2021年8月の仕事は普段より少なかったと答え、多くの人がパンデミックを原因に挙げた。

仕事減は収入にも表れていて、自営業者の半数近くの収入が1000ポンド未満だ。これは英国が2回目の全国的なロックダウン(都市封鎖)の真っ只中にあった2021年1月の数字とほとんど変わらない。2021年9月には自営業者の3分の1近くが基本的な出費を賄うのにさえ苦労していたのはまったく驚くことではない。

仕事の数は安定しているが


ハーバード大学の研究チームは過去50年間の自営業のあり方を調べた。その結果、自営の請負業者が持つ仕事の数はかなり安定している傾向にあるが、まとまった資金を必要とする事業を始める人は少なくなっていることがわかった。
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翻訳=溝口慈子

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