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2022.09.12

グーグルとアマゾン社員が合同抗議デモ、AIの軍事利用を懸念

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Getty Images

グーグルとアマゾンの従業員数百人が9月8日、全米で抗議デモを行い、この2社がイスラエル政府と結んだクラウド技術の契約が、イスラエル軍によるパレスチナ人の監視に利用されることを懸念し、反対の声を上げた。

デモはサンフランシスコ、ニューヨーク、シアトル、ノースカロライナ州ダーラムの米国4都市に広がり、参加者は「プロジェクト・ニンブス(Project Nimbus)」と呼ばれる取り組みに抗議した。12億ドル(約1700億円)のこの契約は、グーグルとアマゾンがイスラエルに人工知能(AI)サービスやその他のコンピューティングツールを提供するために締結したものだ。

The Interceptのレポートによると、この技術は、顔検出や感情分析(顔や話し方を調べることで相手の感情を判別する技術)を可能にするという。

サンフランシスコでは、抗議者たちが湾を見下ろすグーグルのオフィスに集まり、アマゾンのオフィスまでの5ブロックを行進した。デモにはアムネスティ・インターナショナルやヒューマン・ライツ・ウォッチなどの団体も加わり、イスラエルのパレスチナに対する行為をアパルトヘイトと表現した。

このデモの顔役の元グーグル社員のアリエル・コレン(Ariel Koren)は集会で、「私たちは、グーグルの社員一人ひとりに、無関心よりも行動を選ぶよう呼びかける」と語り、背後にあるグーグルのオフィスの窓を指差した。「私たちは今、『ニンバス計画をやめろ』と言っている」

主催者によると、サンフランシスコの集会には150人が参加した。

グーグルの広報担当者のAtle Erlingssonは、「抗議者たちは 契約を正しく理解していない」と述べた。「以前から説明している通り、この契約はイスラエル政府の金融、医療、交通、教育などのワークロードのためのもので、兵器や諜報機関に関連する軍事向けのものではない」

しかし、The Interceptの7月のレポートによると、グーグルは顔検出や物体追跡に加えて、写真やスピーチ、文章の感情的内容を評価する感情分析の技術を政府とその軍に提供しようとしているという。

今回の抗議デモは、グーグルで7年間働いていたコレンが、会社から報復措置を受けたと主張して同社を辞職した1週間後に行われた。マーケティング担当だった彼女は、社内で親パレスチナの意見を発したことでブラジルに転勤するか、仕事を失うかを迫られたという。ユダヤ人のコレンは、辞職の決断の詳細を記した投稿で、グーグルが「パレスチナ人の人権侵害に加担し、人々の声を組織的に封じ込めている」と主張した。
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編集=上田裕資

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