中古車はどうだろう?
現金を節約するために、代わりに中古の電気自動車を買うのはどうだろう? 通常なら、これは健全な行動であるといえるが、今は通常ではない。在庫が少なく、新車価格が高騰しているため、これまで以上に多くのバイヤーが中古車サイドに流れている。そのため、中古車の価格は減少するどころか、むしろ大きく上昇している。中古車価格全体は、この1年間で平均10.1%近く上昇している。しかしそれは、同期間に平均54.3%上昇した(中古車検索エンジンiSeeCars.comによる)電気自動車の中古車価格に比べれば、まだましな値上がりだ。パンデミック以前は、(テスラを除く)ほとんどのEVは、内燃機関モデルよりもはるかに速くその価値が失われていた。
中古EVを買おうとしているなら、少なくとも当面は、1〜5年落ちの電気自動車は避けた方がいいかもしれない。iSeeCars.comによると、この1年で最も価格が上昇したのはそのくらいの年式の電気自動車で、値上がり率と平均取引価格は以下のようになっている。
1. 日産リーフ:+45.0%(2万8787ドル、約415万円)
2. シボレー・ボルトEV:+29.3%(2万8291ドル、約408万円)
3. テスラ・モデルS:+27.5%(8万3078ドル、約1197万円)
4. テスラ・モデルX:+19.7%(9万484ドル、約1303万円)
5. テスラ・モデル3:+16.2%(5万5766ドル、約803万円)
6. 起亜ニーロEV:+15.7%(3万7732ドル、約543万円)
7. テスラ・モデルY:+13.6%(7万65ドル、約1009万円)
8. アウディ・e-tron:+9.9%(6万5420ドル、約942万円)
もちろん、電気自動車自身の価格は、総コストの一部に過ぎない。家庭で充電する場合、EVは一般的に同クラスのガソリンエンジン車よりもランニングコストが安くなるが、その総額は電気自動車毎に異なる。また、EVは内燃機関の自動車に比べて機械的な複雑さが少ないため、メンテナンスコストも低く、定期点検ではエアコンのフィルター、ワイパーブレードの交換程度で済むのが一般的だ。しかし、保険料や修理代は通常より高くなる。そして、現在の市場の状況を考えると、EVのリセール価格を予測することは、これまで以上に難しいこととなる。
(forbes.com 原文)