税額控除による初期費用の減殺
注意点もあるが、税額控除を利用すれば、初期費用を相殺することもできる。近年米国連邦政府は、EV購入者に対して、翌年の確定申告に一度だけ利用できる7500ドル(約108万円)の所得税控除を認め、販売促進を助けている。場合によっては、この控除といくつかの州が提供する追加補助金で、EVの価格プレミアムの大部分、あるいはすべてを払拭するのに十分な額となる。たとえば、2万8495ドル(約410万円)で販売されている日産リーフの場合、連邦政府による税額控除適用を受けると実質2万995ドル(約302万円)になる。イリノイ州在住なら、さらに4000ドル(約58万円)の割引を利用できるため、最終購入価格は1万6995ドル(約245万円)にまで下がる。
ゼネラルモーターズとテスラはすでに税額控除枠を使い果たし、トヨタも当初の構想で設定されたEVとプラグインハイブリッドの販売台数20万台の目標を達成して終了しようとしているために、議会は最近、連邦政府の7500ドル(約108万円)の控除を2032年末まで延長した。
しかし、インフレ抑制法と呼ばれるこの法案では、2023年1月1日からGMとテスラに対する控除が復活するものの、現在は全自動車メーカーの中で選択的に適用されるようになっている。適用条件は、北米で組み立てられたモデルで、自動車は5万5000ドル(約792万円)以下、SUVとピックアップトラックは8万ドル(約1152万円)以下であることだ。そのため、この税額控除を利用できるのは、比較的少数のモデルに限られる。しかも、この連邦政府の補助は、総収入が30万ドル(約4321万円)以下の家庭しか受けられなくなった。
米国エネルギー省によると、2022年および2023年モデルの電気自動車で、製造国と基準小売価格を考慮すると、1回限りの連邦税額控除を受けられるのは以下の車種となる。
1. シボレー・ボルトEV(1月1日より適用)
2. シボレー・ボルトEUV(1月1日より適用)
3. フォード・マスタング・マッハE
4. フォード・Fシリーズ
5. フォード・トランジットバン
6. 日産リーフ
7. リビアンR1S
8. リビアンR1T
9. テスラ・モデル3(1月1日より適用)
10. テスラ・モデルY(1月1日より適用)