従業員数6名のBasysの主な競合は、Omada Health(オマダ・ヘルス)、Virta Health(ヴァータ・ヘルス)、Innovaccer(イノバイサー)といった企業だ。Basysのビジネスモデルは、医療機関や保険者などのB2B顧客のニーズに合わせて、自社のソフトウェアへのアクセス権を販売するものだ。
Insulet(インスレット)の創業者でBasysのアドバイザーであるジョン・L・ブルックス III氏は「新しい治療薬やスマートデバイスの多くの進歩にもかかわらず、糖尿病は依然として世界的な危機です。AIは、糖尿病治療に大きなインパクトを与える態勢を整えています。関連するヘルスケアデータの急増を利用して、個人とその臨床チームが治療を最適化できるような洞察と臨床意思決定支援を提供できるようになりました。Basysは、その強力なチームと堅牢なAIプラットフォームから、この取り組みを主導する強い立場にあり、短期間ですでに大きな牽引力を獲得しています」と述べている。
――代謝疾患による疾病が大きな割合を占める背景には何があるのでしょうか?
ニガムとサン:それは、ここ米国で食べる食べ物から始まります。ハンバーガー、フライドポテト、ソーダを大量に食べるような米国式の食事は、何の助けにもなりません。糖尿病は心血管疾患や慢性腎臓病のような他の慢性疾患と併発することが多いため、疾病の大きな割合を占める要因の1つとなっています。
――これらの代謝疾患の問題は、米国の医療システム全体にどのような影響をおよぼしているのでしょうか?
ニガムとサン:マクロレベルでは、代謝疾患の問題は、米国の医療制度に負担をかけています。医師や病院は回避可能な仕事に振り回され、患者は治療を受けるために長い列を作り、患者の予後を悪くする直接の原因となっています。(慢性疾患やメンタルヘルスを含む)代謝疾患に対する総支出は、米国の医療費総額の90%にのぼります。ミクロレベルでは、患者やその介護者は、個人に合わせたガイドラインを持っていません。そのため、自分や大切な人の病気を管理する不安やストレスに直面しています。
――医師や病院は、今日の患者の標準的なケアにおいて、どのようにAIベースのソリューションを活用しているのでしょうか?
ニガムとサン:いくつかの定型的なサービスを提供する電子健康記録(EHR)企業があります。しかし、医師や病院は、よりデータの重要性を認識するようになってきています。私たちがともに働いている病院の多くは、AIとの連携を積極的に模索し、それを年間予算に計上しています。提供者側での介入、つまり「処方的アナリティクス」こそが、この代謝疾患管理のパラダイムシフトの鍵になるのです。