F1ブームを牽引した音速の貴公子ことアイルトン・セナがドライバーを務めるマクラーレン・ホンダは驚異の強さを誇り、特に1988年シーズンは16戦で15勝をあげるという大記録を打ち立てました。マクラーレン・ホンダは、ホンダのエンジンを搭載したイギリスのレーシングチーム・マクラーレンのF1カーのことを指します。F1ブームとともにスポーツカー熱が高まるなか、ホンダが発売するスーパースポーツカーであり、セナがテスト走行を行ったNSXが注目されるのは当然の成り行きでした。
さらには、NSXがミッドシップ・スポーツカーであることや、量産車としては世界初となるオールアルミ・モノコックボディであることも話題となります。
ミッドシップとは、車体の中心部近くにエンジンを搭載するレイアウトのことです。重いエンジンを中心に置くことで、旋回性能や走行性を高めます。しかし、パワフルなエンジンは重量もあるため、走りの性能を追い求めるスポーツカーでは車体を軽くするために快適性や安全性が二の次にされる傾向にありました。そこでホンダは、快適性を保つための装備をさまざま搭載すべく、オールアルミ・モノコックボディを採用して車体の軽量化を図ったのです。
走行性と快適性を両立したMSXは人気を博し、発売前から注文が殺到。3年先まで予約が入るほどでした。セナはプライベートでもMSXを気に入り、複数台所有していたそうです。
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