テスラ「モデルY」欧州の自動車安全テストで過去最高のスコア獲得

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ユーロNCAPの事務局長、ミヒール・ファン・ラティンゲンは声明で「我々は過去にいくつかの中国メーカーのクルマで良い結果を得ているが、非常に悪い結果も得ている」と述べた。「ユーロNCAPは今年、これまで以上に多くの中国車をテストする予定で、長城汽車はまさに他社が従うべき基準を設定している。また、テスラがモデルYで本当に傑出した記録的な評価を獲得したことに賛辞を送りたい。テスラは最高のものでなければ十分でないことを示し、今後もその目標に向かって邁進することを期待している」

テスラによると、車体後部シャシを大きな1つのピースとして成型する製造技術や「座席に非常に大きな衝突強度をもたらし、車内の完全性の維持に貢献している」増強されたバッテリーパックが高得点の要因として挙げられるという。また、前座席の間に設置しているエアバッグは乗員同士がぶつかって怪我をするのを防ぐのに役立つと指摘する。

筆者はモデルYに乗っているが、前方の減速車に対する安全警告によって多くの事故を未然に防いだと断言できる。

レーダーもLiDARもないビジョンだけを用いるシステムが完全に安全な運転に十分であるとテスラは考えており、その結果を堂々と宣伝している。そしてもちろん、これは自律走行にもいえる。テスラの専門用語でいうところの「完全自動運転」だ。

「モデルYのカメラのみのビジョンシステムは周囲のクルマや自転車、歩行者との衝突を防ぐのに驚くほど優れた性能を発揮する」とユーロNCAPは指摘した。

安全性についてはそうかもしれない。しかし、テスラがビジョンシステムのみで完全な自律走行機能を実現できるかどうかについては、まだ審査が終わっていない。誤ったリスク評価で車が大きく減速する「ファントムブレーキ」問題はテスラのオートパイロットや自動運転システムでまだみられる。

「当社のチームは運転の安全性向上に注力している。過去最高の安全性スコアを達成しても立ち止まることなく、世界で最も安全な車をさらに安全にしたい」とテスラはブログ記事で述べている。

forbes.com 原文

翻訳=溝口慈子

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