今回は、近藤ナオさん。「世界を拠点」として活動している稀有な存在。国内では、「シブヤ大学」「まちの保育園」「週末アドベンチャートリップ」「ステージえんがわ」「FOUND」「日本橋フレンド」等、数多くのプロジェクトに参画する有識者である。
ユニークなのは、住む拠点を一ヶ所に定めていない自由な生き方だ。東京と大阪で居住する一方、海外では、オランダとタンザニアに、友人と共同出資で家を購入し、レジデンス・パーミットも取得。そして現在、最も力を注いでいる活動は、アフリカの投資に特化した、ファンド・マネージメントというプロフィールを持する。
世界を駆け巡り、クリエイティブ活動とビジネス活動を両立している近藤ナオさん。「推しメシ」を伺ったところ、「生きていく為の食事にしか興味がなくて、、、過去の思い出のご飯とか、、、全然思い出せないです。だから当然、思い出のお店とかマジで無いです。本当に思い出せなくて、何だか切なくなりますね。でも、幼い頃、おばあちゃんが握ってくれた『塩おにぎり』は、美味しかったなぁ」という答えが返ってきた。
とはいえ、鮮烈に記憶の片隅に残っているシーンを「推しメシ」として語ってくれた。
「ある日、バングラデシュの田舎で、打ち合わせがあった日の事です。グラミン銀行からお金を借りて、人参を育てている女性から、『あなたに、何も出せる食べ物が無いから』と、ためらいがちに出してくれたのが人参でした。生のまま、ポリポリかじった出来事が、今でも忘れられません」。必ず現場に足を運び、自分の体験した事実で情報を得る事をポリシーとする近藤さんらしいエピソードだ。
発展途上国に居る時には、お米を食べたいという欲求は発生しない近藤さん。食べられそうな葉物野菜を塩茹でして食べられるだけで幸せ、と感じている。「タンザニアのエコビレッジの海沿いに生えている、生命力溢れる葉っぱ。弾力があって、茹でるとお腹が満たされます。夕食は、その葉っぱとキャベツを海水で溶かしたスープがご馳走なのです」。