バッキンガム宮殿の発表によると、エリザベス女王は家族に囲まれながら安らかに息を引き取ったという。女王は健康上の理由から8日の早い時間に医師団の監視下に置かれ、4人の子供全員と孫のウィリアム王子とヘンリー王子がバルモラル城に向かったと報じられていた。
女王の最後の公務のひとつは、6日に行われたリズ・トラス英国新首相との会談だった(会談はバッキンガム宮殿で行われるはずだったが、女王の体調に配慮したトラス新首相がスコットランドに向かった)。
エリザベス女王は、死去した時点で世界で最も在位歴が長い国家元首であり、英国史上最高齢の君主で、史上最も長く在位した統治者だった。
1926年に、国王ジョージ5世の次男ヨーク公(後のジョージ6世)夫妻の第1子としてロンドンで生まれた女王は、出生時は王位継承順位3位で、即位は予想されていなかった。しかし、継承順位1位の伯父エドワード8世が1936年に離婚経験のある米国人女性シンプソン夫人と結婚するため退位し、ヨーク公が即位したことで、当時10歳の彼女が継承順1位に浮上した。そして、父の死の1年後の1952年に、25歳で即位したエリザベス女王は、人生のほぼ4分の3を女王として過ごすことになった。
70年間のエリザベス女王の在位中に、英国は巨大な変化の時代を迎えた。しかし、女王は在位中、高い支持率を維持し、国民に親しまれる存在となった。2018年の世論調査では、英国民の31%もの人々が、女王を見たことがあるか、実際に会ったことがあると答えていた。
女王は在位中、1年を除いて毎年英連邦にクリスマスメッセージを贈り、2020年のパンデミックや1997年のダイアナ妃の死去などの国家的混乱の中で、特別放送を通じて国民に直接語りかけたことが5度あった。