アウトドア対応「Ultra」誕生 触ってわかった新アップルウォッチの魅力

アップルがニューフェイスの「Ultra」(写真中央)を含む3つの機種により構成される2022年のApple Watchファミリーを発表した


なぜなら、手首に装着したウェアラブルデバイスだけで人の体温を高精度に測れるセンシング技術が今のところまだ存在しないからだ。アップルはまだ不正確な情報しか取ることのできないセンシング技術をApple Watchに載せることを是としなかった。反対の見方をすれば、皮膚温センサーはユーザーの日々の暮らしに役立つ完成度の高い機能であるといえそうだ。

ヘルスケアアプリに蓄積される皮膚温のデータは、HealthKitを介してサードパーティのデベロッパがこれをアプリの開発に役立てることもできる。皮膚温を元に、男性のユーザーにもストレス測定、あるいは睡眠解析など日々の生活をサポートする機能を提案することもいずれ可能ではないかと思う。

毎日の充電の煩わしさを解消する新しい低電力モード


そしてApple Watch Ultra、Apple Watch Series 8には常時表示Retinaディスプレイ、ワークアウトの自動開始、心臓の健康通知など一部のセンサーや機能をオフにして、ウォッチのバッテリー持続時間を長く伸ばせる新しい低電力モードが搭載される。Series 8は最大36時間、Ultraは最大60時間の連続稼働を実現するこの機能が、スマートウォッチの充電に煩わしさを感じ、嫌っていた人々の心を溶かすことになるかもしれない。

3万円台で買える新しいSEはパフォーマンス向上を実現


そして最後に第2世代のApple Watch SEについても触れておきたい。2020年に初めて登場したSEが2年ぶりにリニューアルされる。


Apple Watch SEにとっては初めてのカラバリとなる「ミッドナイト」も登場

上位モデルのUltra、Series 8と同じ、アップル独自の設計によるS8 SiPデュアルコアプロセッサを搭載したことで、第1世代のSEよりも約20%の処理高速化を実現した。

第1世代のSEとケースのサイズやデザインはいっしょだが、ケースの色に合わせて再設計されたバックケースにはナイロン複合材を採用して軽量化を図った。


バックケースに改良を加えて本体を軽くした

何より、GPSモデルは税込価格がSeries 8よりも2万2000円も安い税込3万7800円〜で発売される。上位モデルのUltraでスポーティなスマートウォッチを好む層を取り込み、手頃なSEで「初めてのApple Watchユーザー」を開拓する。ウェルバランスなSeries 8を含む「3本の矢」が揃うApple Watchがこれからどんな飛躍を遂げるのか期待したい。

連載:デジタル・トレンド・ハンズオン
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編集=安井克至

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