アウトドア対応「Ultra」誕生 触ってわかった新アップルウォッチの魅力

アップルがニューフェイスの「Ultra」(写真中央)を含む3つの機種により構成される2022年のApple Watchファミリーを発表した


例えばナイキのスポーツシューズを、日々ワークアウトに勤しむ習慣を持たない方もファッション感覚で買い求めるように、Apple Watch Ultraのスタイリッシュさを多くの潜在的ユーザーに訴えかけることにもアップルは力を入れている。

筆者は発表会場でApple Watch Ultraの実機に触れることができた。まず最初に「とても軽い」ことに驚いた。チタンを採用するメリットが存分に活きている。ケースのサイズが大きいため、実際のスペックを見比べるとアルミニウムケースを採用する45mmのApple Watch Series 8よりも重いのだが、筆者は直感的にこれならベッドで睡眠トラッキングをしながら使っても苦にならないだろうと思った。


スムーズな装着感を実現したUltraのバックケース。心拍センサーや皮膚温センサーを内蔵する

アウトドアレジャー用のグローブ(手袋)を装着したままでも操作がしやすいように、Apple WatchのハードウェアインターフェースであるDigital Crownと右側面のボタンは、一段突き出たケースにガードされるようなデザインに仕上げている。ゴツそうに見えるが、大きく堅牢なベゼルとケースを備えるダイバーズウォッチに比べるとUltraはかなりスリムな腕時計だ。女性が身に着けても様になるだろう。

耐久生の高い3種類のバンドも、Apple Watch Ultraのために設計された。いずれも本体の耐久生が高く、バックルが衝撃を受けても外れにくいように工夫している。

Apple Watchの新機能「皮膚温測定」で何を測れるのか


Apple Watch Series 8は従来からのメインストリームモデルの進化形だ。完成されたデザインを受継ぎながら、装着した手首の皮膚温が測定できるセンサーを新設した。

皮膚温センサーは手首の肌に近い本体の背面に1つ、そしてディスプレイのすぐ下にもう1つをレイアウトしている。2つのセンサーを搭載することで、外部環境が計測に与える影響を避けることを目的とした設計だ。


Apple Watch Series 8のステンレススチールケースモデル

皮膚温は睡眠中に計測する。Apple Watch Series 8(またはUltra)を身に着けながら5夜睡眠を続けて取ると、iPhoneのヘルスケアアプリに皮膚温の測定結果が記録されるようになる。皮膚温の表示は数値ではなく相対的な変化をグラフで読み取る形になる。

皮膚温測定は女性ユーザーの健康を見守ることに主眼を置いている。本機能により、ユーザーは推定される過去の排卵日の通知が受け取れるようになる。排卵が周期を知ることにより月経予測や家族計画に役立てられる。あるいは期間が長い月経や不正出血など基礎疾患の症状に疑いが見られた場合に通知を受け取るように設定することも可能だ。

コロナ禍の現在、ユーザーの体温が測定できるウェアラブルデバイスに注目が集まった。Apple Watchの皮膚温センサーは、ユーザーの体温測定を目的とした機能ではない。センサーによる皮膚温測定も睡眠中に行われるように設計されており、任意のタイミングでオンデマンドに測ることもできない。
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編集=安井克至

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