アウトドア対応「Ultra」誕生 触ってわかった新アップルウォッチの魅力

アップルがニューフェイスの「Ultra」(写真中央)を含む3つの機種により構成される2022年のApple Watchファミリーを発表した

コロナ禍の中で、ヘルスケアやフィットネスの維持に関心が高まり、四六時中身に着けながらユーザーが自分で自身の健康を見守れるウェアラブルデバイスが大いに注目を集めた。Apple Watchもその代表的なプロダクトだ。

日本時間9月8日にアップルがクパティーノの本社で開催した新製品発表会で、Apple Watchの新しいシリーズとなる「Ultra」とApple Watch Series 8、第2世代のApple Watch SEという3つの新製品を披露した。イベントに参加した筆者が、現地での取材を元に新製品のインプレッションをレポートする。

アウトドア仕様を徹底強化したUltra誕生


今回、新しいアウトドアスポーツモデルのApple Watch Ultraが加わったことで、Apple Watchのメインシリーズが初めて3つのラインに枝分かれした。

アップルのCOO(最高執行責任者)であるジェフ・ウィリアムズ氏は、本機の発表にともない「Apple Watch Ultraは、ユーザーに冒険、耐久レース、探検の限界をさらに押し広げることを可能にする万能なツール」とコメントを寄せている。


49mmのチタニウムケースを採用するApple Watch Ultra。風防はフラットなデザインのサファイアクリスタルガラスとした点も新鮮味を感じる

衝撃耐久性が高く、腐食にも強い航空宇宙産業レベルの49mmチタニウムケースを採用。フラットな形状のサファイアクリスタルガラスの周囲には、ほんのわずかにケースの高さを加えて落下時にガラスへと伝わる衝撃を軽減するデザインとした。

筆者が今回クパティーノを訪れた期間、日中は36度以上、あるいは40度台に到達するほど「強烈な晴天」に恵まれた。燦々と照りつけるカリフォルニアのパワフルな陽射を受けても、Apple Watch UltraのRetinaディスプレイは視認性が損なわれない。iPhone 14 Proシリーズが搭載するSuper Retina XDRディスプレイのピーク輝度性能に匹敵する「2000nits」の明るい画面を搭載しているからだ。屋外スポーツを楽しむ際に期待されるキホンの機能を、Apple Watch Ultraは全方位に満たした。


左側面にはワークアウトアプリを一発で呼び出したり、さまざまなショートカット機能が割り当てられる「アクションボタン」を新しく設けた

またApple Watchで初めて、2つの周波数が異なるGPSセンサーを載せて、新しい測位アルゴリズムを組み込んだ。トレッキングやハイキングを楽しむ場面だけでなく、Apple Watch Ultraは高層ビル群の中でも現在位置が正確に測位ができる。都会に暮らすランナーにもぜひ新しいUltraに注目してほしい。

デザイン・装着感は意外にゴツくない


だが、もちろんアップルは新しいApple Watch Ultraを本気のアスリートや冒険家たちのためだけにつくったわけではない。発表会場ではUltraに多くのジャーナリストたちが熱い視線を注いでいた。現地でより深く取材を進めると、アップルがUltraの発売を契機として、さらに広く・多くのApple Watchユーザーを獲得しようとしている意気込みも伝わってきた。
次ページ > 新機能「皮膚温測定」で何を測れるのか

編集=安井克至

タグ:

ForbesBrandVoice

人気記事