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2022.09.08 17:30

オバマ元米大統領夫妻がホワイトハウスを訪問、退任後初

Tom Williams/CQ-Roll Call, Inc via Getty Images

オバマ元米大統領夫妻が9月7日、首都ワシントンのペンシルべニア通り1600番地に再び姿を見せた。待ち望まれ、そして長らく遅れていた公式肖像画の除幕式のためだ──ホワイトハウスで受け継がれてきた伝統行事のひとつでありながら、今回の開催は10年ぶりとなった。

ドナルド・トランプ大統領が就任した2017年以来、オバマ夫妻がそろってホワイトハウスに入るのは、この日が初めて。式典の出席者たちは、スタンディングオベーションで夫妻を迎えた。

今回の肖像画の除幕式は、ジョー・バイデン大統領とジル夫人が主催。新型コロナウイルスのパンデミックにより、当初の予定より延期されていた。前大統領の公式肖像画の公開は超党派の行事で、これまでは新たな大統領が就任直後に開いてきた。だが、トランプ前大統領はこの伝統に逆らい、退任するまで行わなかった。理由は、「悪い」とされるオバマとの人間関係だ。

前回ホワイトハウスで前大統領夫妻の肖像画が公開されたのは、2012年だった。ジョージ・W・ブッシュ元大統領とローラ夫人の肖像画の除幕式が、オバマ夫妻の主催で行われた。このときオバマは、「政治的には、私たちには違いがあるかもしれない。だが、大統領職はその違いを超越したものだ」と語っていた。

画家2人が夫妻それぞれを担当


お披露目されたオバマ元大統領の肖像画は、写実的な表現で知られる米国人画家、ロバート・マカーディが手掛けた。オバマはマカーディの作風について、「良くも悪くも、ありのままに描く」ところに引かれると述べている。

ミシェル夫人の肖像画は、ブルックリンを拠点に活動するシャロン・スプラングが制作した。水色のドレスを着た夫人が座るのは、ホワイトハウスのレッドルームとみられる。

夫妻の肖像画は2018年にも制作されており、このときは元大統領をケヒンデ・ワイリー、夫人をエイミー・シェラルドが担当した。これらはホワイトハウス以外で唯一、歴代全大統領と夫人たちの肖像画を所蔵するスミソニアン・ナショナル・ポートレート・ギャラリーが制作したもので、初公開後は国内各地の美術館に貸し出されており、いずれの展示会でも人気を集めている。

「バイデンvs.オバマ」の構図も?


一方、米紙ワシントン・ポストによると、除幕式を行ったバイデン大統領とオバマ元大統領の間では、それぞれの陣営間で緊張が高まっているという。バイデンのスタッフの一部は、大統領選でオバマから十分な支援が得られなかったことに“憤慨”し、十分な敬意が払われていないことにいら立っているとされる。

また、オバマ大の支持者たちは、バイデンの側近らが「オバマ政権の過ちを回避したと自慢している」ことに不満を持っているという。その「失敗」のひとつは、大統領の業績を十分に宣伝しなかったことだとされている。

ただし、ホワイトハウスは大統領と元大統領、それぞれの陣営の間には「いかなる緊張関係もない」として、こうした報道を否定している。

編集=木内涼子

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