オランダの研究者が行った3つの研究のメタ分析で、ポジティブな占いを受けた後の男性の投資行動の変化に有意な関連性が観察された。しかし、女性への影響は「ほとんどなかった」という。
研究チームは、693人の参加者を2つのグループに分けてオンラインの調査を行い、将来の経済的成功を具体的に予測する占い結果を提示した。その結果、良い占い結果を見せられた男性は、中立の結果を見せられた男性よりも、金融リスク耐性テストで高いスコアを獲得した。しかし、女性の間ではほとんど差が見られなかったという。
また、193人を対象とした対面調査では、良い占い結果を見せられた人は、中立の結果を見せられた人よりも、お金を賭けてゲームをする傾向が強いことも判明した。
この研究は、中国の教育省傘下の中国奨学金委員会から資金提供を受けたものだが、論文の著者は、資金提供元が研究に影響を与えることはなかったと述べている。
女性は金融面でのリスクを回避する傾向が強いことは以前の研究でも示されており、その原因は生物学的なものだとされている。2009年にPNASに掲載された500人の学生を対象とした研究では、男性における主要な性ホルモンのテストステロン値が高いほど、リスクの高いキャリアや投資を行う傾向があるとされていた。2008年のハーバード大学の研究でも、テストステロン値が高い男性ほど、投機的な投資をする傾向があるとされた。また、男性は女性の約2倍の頻度でギャンブルをし、賭博で問題を起こす人の約3分の2が男性だとされている。
米国におけるギャンブルの売上は、2021年に過去最高水準に急騰した。米国のカジノは昨年、過去最高の530億ドルの収益を上げ、スポーツ賭博の売上は2020年の2倍以上の570億ドル(約8.2兆円)を突破した。1月に発表されたMorning Consultの調査によると、定期的にスポーツに賭ける成人の割合は、2021年の年初から年末にかけて5%から12%に上昇したという。現在、米国の過半数の州がスポーツベッティングを合法化している。
(forbes.com 原文)