経済・社会

2022.09.09 07:30

英国の新運輸長官は道路建設推進派 過去に気候変動否定も


キャンペーン団体「Transport Action Network」のディレクター、クリス・トッドも同じことを指摘した。

「需要に追いつくスピードで新しい道路を建設することはできない。今ある道路を維持することさえままならない。新しいアプローチが必要だ。その1つが選択肢、経済、生活の質を向上させるためにこれらすべての要素をいっしょにするというものだ」

鉄道にフォーカス


トレベリアンの最初の仕事は、2つの全国的な鉄道ストライキにどう対応するかを見極めることだ。

鉄道業界の多くの人はグラント・シャップスの運輸長官解任を喜んでいた。鉄道雑誌の編集者ナイジェル・ハリスは「彼は否定的で事実認識に乏しく、無関心で利己的、そして策略的だった」とツイートした。

しかし、トレベリアンは道路に関する運動の経験があることを考えると、シャップス同様、鉄道には無関心かもしれない。

アクティブトラベル


アクティブトラベルの運動家たちは、シャップスの下でイングランドにおけるサイクリングとウォーキングのための予算が増強されたと指摘し、シャップスをそれほど否定していない。また、シャップスはアクティブトラベル・イングランドの設立を監督した。これは、イングランド初のアクティブトラベルコミッショナーであるクリス・ボードマンが会長を務める検査機関兼資金提供組織だ。

議会の交通委員会でボードマンは「流れ(climate)は変わった。ダジャレで失礼(気候の意味のclimateとかけている)」と述べ「アクティブトラベルは持続可能な未来の大きな部分を占めている」と語った。

ボリス・ジョンソン前首相は、政府の2020年の「ギアチェンジ」戦略を打ち出し、サイクリングとウォーキングの推進者として知られていた。

ジョンソンは「町や都市におけるすべての移動の半分が自転車や徒歩によるものである未来になれば」と戦略を説明し、日常の移動に自転車を使う同氏は「自動車時代の到来以来、最も急進的な変化を都市にもたらす」と約束した。

トレベリアンとトラスはおそらく、ジョンソンの自転車への情熱を共有していない。しかしトラスの3人の弟、クリス、パトリック、フランシスは毎年サイクリング休暇に出かけるほどの長年のサイクリング愛好家であり、全国のサイクリストの安全の重要性を認識するだろう。

forbes.com 原文

翻訳=溝口慈子

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