新たな医療保険制度が米国労働者数百万人に医療給付の道をひらく

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従業員にとって、ICHRAは医療保険の支払い支援を受ける新たな方法であり、医療保険を利用やすくするとともに、財政負担と医療コストの心配を軽減する。さらに、ICHRAは従業員の移籍も容易にする。会社を辞めてもプランを継続できるため、医療給付のために1つの会社に縛られる(ジョブロックと呼ばれる現象)ことがなくなる。

eHealthの個人・家族・中小企業プラン事業部長アンソニー・ロペスによると、医療保険の支払い補助を一切受けていなかった正規あるいは非正規従業員はICHRAで最も恩恵を受ける人々だ。しかし、あらゆる社員が喜ぶさまざまな恩恵もある、と彼はつけ加える。

「雇用主が提供する医療保険に加入したことのある人なら、1つか2つ、せいぜい3つのオプションからプランを選んだことを覚えているでしょう。それでは制限がきつすぎます、なぜなら1人ひとりの医療保険ニーズは異なるからです」とロペスはいう。「ICHRAはお客様に幅広いオプションの中からニーズと予算に合った最高の保険商品を選んでいただきながら、会社からは毎月の保険料支払いを減らすための支援を受けることができます」

ICHRAを規定している国の規則は2019年8月に施行されており、2020年1月1日以降に始まる医療保険が対象だ。しかしロペスに言わせれば、ICHRAはまだ始まったばかりだ。

「プログラムの金融側と保険側の協力体制の調整にしばらく時間がかかっていました」と彼は言った。

政府による2019年6月(ICHRAの最終案が公開された時)時点の予測では、最大80万人の雇用者がICHRAを利用し、最大1100万人の社員とその家族が給付を受ける見込みだ。政府はさらに、その結果これまで無保険だった80万人の人々も、医療保険に加入できるだろうと推測している。

これらの見積もりがどれほど正確だったかを見るにはまだ早すぎるが、ロペスは今後著しい成長の可能性があると見ている。

「ICHRAの認知度が不足していることを別にすれば、今以上に広く受け入れられるための障壁は見当たりません」とロペスは述べている。

forbes.com 原文

翻訳=高橋信夫

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