「TikTok追放」を願う米テック業界、アップルCEOも懸念を表明

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TikTokは民主国家で禁止すべき


今年のコード・カンファレンスで最も強くTikTokを批判したのは、Insiderやポリティコ、Protocolなどのメディアを所有するアクセル・シュプリンガーCEOのマティアス・デップナー(Mathias Döpfner)だった。彼は、TikTokがメディアやコンテンツ業界における「最も顕著なライバルだ」と評し、このプラットフォームを禁止するべきだと述べた。

「TikTokはすべての民主主義国で禁止されるべきだ。フェイスブックやグーグル、アマゾンは中国に進出することができない。それなのになぜ、私たちの自由な市場でTikTokがこれほど支配的な役割を果たすことが許されるのか?」と彼は指摘した。

元ホワイトハウス報道官のジェン・サキも、このようなトレードオフを「道徳的ジレンマ」と呼び、TikTokに対する批判に同意した。7日のカンファレンスでサキは、「中国による監視の問題も厄介だが、TikTokをあえて使わないという選択をした人々は、市場の競争から退くことになる。彼らのリーチはあまりも巨大だからだ」と、スウィッシャーに語った

アップルのテイム・クックCEOですら、この問題に意見を持っているようだ。7日にローレン・パウエル・ジョブズとアップルの元最高デザイン責任者のジョニー・アイブを交えて行われた、ジョブズの遺産についてのパネルで、クックはiPhoneのアプリが今日の政治的・社会的分裂に貢献していることについて尋ねられ、「スティーブ・ジョブズが生きていたら、この状況を嫌がったはずだ」と話した。

「我々は、誰かに延々とフィードをスクロールさせるために携帯電話を製造しているのではない」と、クックは名前を挙げずに語った。

forbes.com 原文

編集=上田裕資

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