自分を「大物」に見せるノウハウ
では、体格が小柄な人はどうしたらいいのだろうか? この問題に関してもナバーロは、体の大きさに関係なく、力があることを伝えるのに効果があるボディーランゲージについてアドバイスしてくれた。
まず、話を聞く時には、常にアイコンタクトを保つべきだという。
この作戦の意味について、ナバーロはこう解説する。「その場に足を踏み入れた時から圧倒的な存在感を示すことはできないかもしれないが、代わりに、『誰も自分の視線を逃れることはできない』とアピールすることはできる」
次に、自分の声のトーンや抑揚に気を配ろう。人は、神経質になっていると声がうわずってしまうものだ。そのため、強さと自信(あるいは真剣さ)を伝えるためには、低い声で話すように、とナバーロはアドバイスする。
最後に、交渉ごとにあたる者は、可能な限り豊かなボキャブラリーを使うといいという。
「人というものは、よりボキャブラリーが豊かな者に反応する性質がある。言葉を駆使することで、即座に話し手のステータスが上がるはずだ」とナバーロは言う。
「悪気のない好奇心」の重要性
非言語コミュニケーションは複雑であり、習得が難しい。特に、相手と向き合っている場で、リアルタイムにその技を披露するのはいっそう困難だ。そのため練習と準備が重要になるが、初めから自分を強く印象付けたい人向けに、ナバーロは簡単でなじみのある発想を勧めている。それは好奇心だ。さらにナバーロによれば、「悪気のない好奇心」が大切なのだという。
人並外れて対応が難しい、あるいは不満を抱えている相手に対応しなければならない時には、この作戦は特に効果的だ。
こうした相手に対しては、過度な威圧感や重苦しさを感じさせない質問を投げかけてみよう。また、相手について心から知りたいと思っていることがないか、考えてみるのもいい。そうした質問としては、以下のような例が考えられる。
あなたの考えをお聞かせください。
ご家族はどちらの出身ですか?
ここにくる途中で、こんな面白い建物を見かけたんです。これが何だかご存知ですか?(初めて訪れた街や、なじみのない環境にいる場合)
こうした問いかけは、「非言語コミュニケーション」ではないように思えるかもしれないが、その狙いは、こちらが話す機会を減らし、相手の話を聞くことにある。相手側にあれこれと説明してもらうことが、言外に、共同作業や協力を促すことにつながるのだ。
「容疑者を相手にしている場合であっても、詰問するのは最悪の手だろう」と、ナバーロは自らの体験に基づく考えを明かしてくれた。「こちらが悪気のない好奇心を示すことで、より多くの供述を得ることができた」
(forbes.com 原文)