起業家の素養「HERO」とは
──出雲さんが考える「起業家にとって重要な素養」を挙げるとするとなんでしょうか?
「H・E・R・O」であること、あり続けること。「H・E・R・O」のそれぞれ4つの頭文字から始まる言葉が重要な素養です。
1. 「H:Hope」、目標やイメージを持っていること。
2. 「E:Efficacy」、自分にはできるんだという自己効力感を持つこと。
3. 「R:Regilient」、しつこく何回でも挑戦し続ける姿勢。
4. 「O:Optimistic」、明るくて楽観的であること。
特に「E:Efficacy」が日本人は弱い傾向がありますが、ポイントは「根拠は要らない」ということです。根拠なく自分のことを好きになって、自分を信じる。これはリーダーにとって必須の素養だと思います。
──出雲さんが根拠なく「E:Efficacy」自己効力感を持てるようになった要因は何でしょう?
外部要因の影響が大きい素養だと思います。やっぱり教育や家庭環境の影響は大きいですし、逆に言うと自分次第で後天的に変えることができるものだとも言えます。
私の場合は母がプロの“褒め師”で。ひたすら褒められていると、嫌でも自己効力感が高くなりますよね。逆に一番近くの家族や友達、先生に「あなたには無理だ」と言われ続けたら、自己効力感は低くなるでしょう。
切磋琢磨できるいい仲間、信じてくれる友達がいる環境に自分の身を意識的に投じること。それは大学の研究室やサークルでもいいし、企業の部署やチームでもいい。
自分の「E:Efficacy」を高めてくれる環境を諦めずに探すことは、自分の素養を磨く上でも非常に重要なことだと思います。