やる気が出ない?創造性のスランプから抜け出す新しい科学的知見

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創造性というテーマには、多くの言い伝えや神秘性がともなっている。しかし何事もそうだが、科学的に評価することは可能だ。

ここでは、創造性のスランプから抜け出す方法に関する、最新の実証研究を紹介する。

美術館を訪れる


「クリエイティブブロック」が発生する最も一般的な原因の1つは、刺激のない日常生活から抜け出せなくなっているからだ。新しい思考パターンを生み出し、視点を変えるためには、時折ちょっとした目新しさが必要だ。

心理学者のキャサリン・コッターは、地元の美術館を訪れればそれが実現できると提案している。アートに触れることで、次のような理由から、創造的な抵抗期を乗り越えるための後押しが得られる。

1. 美術館を訪れると「美術館効果」と呼ばれるものを経験する。美術館に踏み込むことで、自分自身や、自分の属するコミュニティ、そして社会一般について考えさせる、高尚な思索の状態に入ることができる

2. 美術館は、ほとんどの人にとっては、頻繁に足を運ぶことのない独特な空間だ。美術館を訪れたなら、日々の心配事を脇に置いて夢中になり、ただその体験のなかに没入することは容易だ。見学しているうちに時間を忘れたり、特定の作品に惹きつけられたりしてしまうかもしれない。これはストレス解消にもなるし、創造力を再び活性化させるのにも役立つ

自分の創造的可能性を過小評価しない


心理学者のスネハル・ホラによると、私たちは誰でも創造的なアウトプットを生み出す能力を持っている。しかし、もし自分自身がそう信じていなかったら。決して自分の可能性を発揮できないかもしれない。

『Journal of Applied Psychology(応用心理学ジャーナル)』に掲載された彼女の研究によれば、私たちは次のようにして創造的な筋肉を働かせることができる。

・信念を持って行動する
・常識に挑戦する
・リスクを恐れない
・自立する

私たちは、萎縮して、必要とされる大胆さを発揮できないとき(あるいは過度に自己批判的なとき)、創造的な可能性の一部を手放してしまう。

心理学者は、自分の内なる批評家と戦うために、セルフリフレクション(内省)とセルフコンパッション(自分への思いやり)を勧めている。自分の失敗を許容し、普段しないことに挑戦し、健全なチーム環境の中で仕事をすることが、創造的なアウトプットを増やすことにつながる。

あなたの創造力はずっと強力だ


クリエイティブブロックは、想像されるほど克服できないものではない。創造できる場合とできない場合をコントロールできるようにすることが重要だ。あなたの創造力は、短期的なクリエイティブブロックよりもずっと強力な力を持っているのだ。

forbes.com 原文

翻訳=酒匂寛

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