3. 過度なインターネット利用は、病理の指標となる可能性がある
同じ研究で、モレッタは、インターネット中毒であると答えた人が、強迫観念のアンケートでも高い得点を得たという証拠も見つけた。
インターネットの利用が苦痛を引き起こし、通常の生活機能を妨げる場合、インターネット利用障害と診断される可能性が高い。インターネットに関連する問題行動と行動嗜癖には、特にその精神生理学的メカニズムにおいて、類似性があることがわかっている。
「インターネット利用障害が、不安 / 気分障害や強迫性障害のもとのメカニズムやネットワークの障害から生じる症状のパターンによって特徴づけられるかもしれません」と、モレッタは説明する。
4. インターネットを利用することで、加齢にともなう認知機能の低下を防ぐことができる
インターネット利用について、暗い話ばかりではない。『Social Psychology and Personality Science』に掲載された、テキサス大学オースティン校のテッド・シュワバが行った興味深い研究は、高齢者のインターネット利用が、より高い認知的関与のスコアと関連していることを明らかにした。
「認知的関与とは、何をするか、そしてどのようにするか(探求、学習、疑問、質問)ということです」とシュワバはいう。「高齢になっても視野を広げ続けている人は、より長く、より有意義な人生を送る傾向があります。それは確かに、日々努力によるものです」
しかし、高齢者のインターネット利用は、若者と同じような問題に悩まされることが多いことに注意する必要がある。
どうすればインターネット利用の利点を最大限に生かし、弊害を最小限に抑えられるかという質問に対して、シュワバはテック企業にその責任を求める。
「Google(グーグル)やFacebook(フェイスブック)のような企業が、利益よりも人間の幸福を最大化するようなウェブサイトの設計をすることが求められていると思います」と、シュワバはいう。
シュワバの研究から得られたもう1つの重要な提案は、インターネット上の見知らぬ人との議論に巻き込まれないようにすることだ。インターネット上の議論は、誤った情報を広め、あなたの心の平和を破壊する以外の何の役にも立たない。
視点を変えること
インターネットは、外界の情報の宝庫というだけではない。インターネットは、私たち自身について多くのことを教えてくれる。若い人にとっても年配の人にとっても、インターネットは学び、関わり、そしてつながり続けるために作られている。
インターネットを、画面の向こうにいる本当の人間とつながり、関わりを持つための道具としてとらえることは、私たちにとって有益なことだ。視点を変えることで、インターネットとより生産的で充実した関係を築くことができるはずだ。
(forbes.com 原文)