多くの人々がオンラインで多くの時間を過ごすようになった今、心理学の研究者たちは、インターネット上での行動が私たちの本質について何を語っているかを理解することに焦点を合わせている。
ここでは、インターネットを自己嫌悪のためではなく、自己改善のために利用する方法について、科学的な裏づけのある4つの知見を紹介する。
1. 気分が落ち込んでいるときは、ソーシャルメディアを見ない
ソーシャルメディアは、私たちの心理的・社会的欲求をすばやく解決してくれるものだ。しかし「いいね!」やコメントがこないとどうなるだろう?
グラナダ大学の心理学者マリア・カルメン・エレラが主導し『Journal of Psychology』に発表された研究によると、ソーシャルメディアは青少年のアイデンティティ形成に永続的な影響を与えるとのことだ。
この研究では、(驚くことではないが)青年は社会的比較と社会的強化の追求を非常に重要視しており、そして、ネット上での承認の欠如から生じる否定的な感情は、青年が大人になるまで影響をもたらす可能性があることを発見した。
「ソーシャルメディアの集中的な使用は、ボディイメージの懸念、自己客観視、社会的比較、嫉妬、そしてネットいじめに悩まされたり関与したりする可能性と関連しています」とエレラはいう。
最近、気分が落ち込んでいるなら、一歩距離をとってソーシャルメディアとの関係を調べてみる価値があるかもしれない。
2. インターネットの利用と孤独は、悪循環を生むことがある
私たちはしばしば、社会的な交流の必要性の代わりにインターネットに頼っていることに気づかされる。そのほうが外に出て人に会うより簡単だからだ。しかし『Frontiers in Psychology』に掲載された最近の研究によると、これは社会的交流を増やすためには効果がなく、ほとんどの場合、孤独の悪循環をもたらすだけであることが示唆されている。
「問題あるインターネットの使用と孤独を結びつける潜在的な悪循環は、過度のインターネットの使用から始まります。それは対面での交流から人を遠ざけ、孤独を増大させるからです」と、イタリアのパドヴァ大学の心理学者であるタニア・モレッタは述べている。
問題あるインターネット使用は、感情のコントロールがうまくいかず、また、人生の課題に柔軟に対応する能力が低下することが特徴として挙げられる。インターネット使用をコントロールできない、あるいはインターネットにアクセスできない状況でインターネットを渇望していることに気づいたら、それを無視しないことをモレッタは勧めている。メンタルヘルスの専門家に助けを求めるのが一番だ。