リスは暑さを「腹ばい」になってしのぐ、人間にも有効

Getty Images

仕事中にちょっと暑すぎると感じたら、床の上に腹ばいになって手足を伸ばしてみてはいかがだろうか。

最近多くのリスがそれをやっているようだ。この数週間のあまり暑さに、リスなどの動物たちはしょっちゅう「splooting(スプルーティング、腹ばい)」をして熱と戦っている。

さて、多くの読者は「splooting」は造語ではないかと思っているかもしれない。なぜなら、スペルチェッカーは代わりに「looting」をレコメンドしてくれる。しかし、職場でlooting(略奪)することはsplootingとは大きく異なる。ニューヨーク公園レクリエーション局は、スプルーティングを「体温を下げるために冷たい面」の上で「手足を伸ばす」ことと定義している。



ツイートにあるように、スプルーティングは別名「heat dumping(熱放出)」ともいい、これは1年ほど前に私がフォーブスで使った言葉だ。手足を伸ばすことによって、体と冷たい物体の接触面積を最大化しようとする。熱放出と呼ぶのは、こうすることで、相手が床や地面、ベランダや柵などどんな平面であれ、自分の熱を自分より冷たい物体に移動、すなわち放出(dump)しているからだ。

横になろうとしている場所が、自分より熱くなく、冷たいことを確認すること。さもないと、自分を料理することになる。熱は温かい方から冷たい方へ流れる性質があるからだ。

国立公園局はスプルーティングの定義を「翼を広げたワシ(spread-eagle)のように横たわり、両手両足を広げてうつ伏せになる」としており、クマが「spread-eagle」ならぬ「spread-bear(手足を広げたクマ)」状態になっている写真を載せている。



これらの動物はなぜ、手足を広げたリスやクマのように、背中ではなく腹を下にした体勢をとっているのだろうか。おそらく、多くの動物は腹側の方が毛皮が少なく、熱の移動を妨げる絶縁物が少ないからだろう。つまり、胸毛が極端に濃い人には、スプルーティングの効果が小さいかもしれない。
次ページ > 大切な人に熱放出するときは「熱」という言葉を忘れないこと

翻訳=高橋信夫

ForbesBrandVoice

人気記事