mekezzo:昨年はメタバースのみの開催でしたが渋谷のリアル会場も用意されたことです。参加者がよりグローバルになって、Web3にまだ深い知識を持っていないライト層も増えました。日本人の来場も多かったです。
今年は新たに、メタバース上でアーティストと参加者が直接会話できるようになったことで、作品の魅力を深く共有でき、不思議な熱気がありました。
一方で、日本のアーティストは「妖精」と評されるように、作品が人の目にとまらないんです。それは英語での交流を好まず自己PRが苦手な人が多いからで、良い作品でも気付いてもらえてないという課題を直に感じました。
水野:その課題はすごく分かります。NFTで作品を販売するためには、英語でのPR力や、作品を評価・宣伝してくれるコミニュティが必要です。しかし日本だと、その辺りをうまくできているアーティストはほとんどいないし、サポートする会社もまだ少ないですね。
mekezzo:NFTの界隈ではアニメなどに影響を受けた作品も数多く、日本の文化やポップカルチャーは現実世界のように人気なんです。
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ただ、注目が集まるのは日本アーティストではなく、海外アーティストが作った日本風の作品。PRやマーケティングが上手で、資金調達や英語圏でのコミュニティ作りがうまいんです。特に初期の投資家の巻き込み方が巧みなのですが、その理由は、プロデューサー発のプロジェクトが多いからです。日本はクリエイター発がほとんで、PRなどの知見が浅いんです。
「NFTは金儲けの道具」 批判の声も
水野:mekezzoさんは今年の夏、3イベントに登壇、10以上のイベントに参加、私は5つのイベントに登壇、10のイベントに参加……とお互い怒涛のイベントラッシュでした。
大変だった半面、Web3やNFTへの注目度の高まりを感じずにはいられませんでした。印象的だったことや興味深い取り組みはありましたか?
mekezzo:「NFT.NYC」で見た、海外で特に人気なNFTプロジェクト「Cool Cat NFT」やアニメとストリートスタイル作品が融合した「Azuki NFT」プロジェクトです。かなりの広告費を費やしており、ニューヨーク市内に小さな遊園地を作ったり街をつくったりしていて、テーマパークのような世界を生み出していました。
また、日本や韓国などアジアのミックスカルチャーが好きな海外の人、特にアメリカ人が多いのが印象的でした。このジャンルでのアーティストの可能性はまだまだありそうですね。