回答が得られたら、次回以降の会議の際に、フィードバックに感謝しつつ、必要に応じて個々の問題への対策を検討する(当然のことだが、個人的な問題や、特定の人物に対するネガティブな意見といったセンシティブな問題については、公式の場では言及しない)。
このテクニックの恩恵は大きい。情報共有のプロセスが迅速化され、リーダーは、通常よりもずっと早い段階で、問題になりうるポイントに気づく。これによりリーダーは、余裕をもって問題を回避する、あるいはそれに正面から向き合うことができる。
また、成功を妨げる要素について情報を抽出し検討するプロセスは、チームの結束を高める効果をもつ。メンバーがさまざまなリスクについて個々に思い悩むのではなく、強制的にすべてを俎上に載せ、チーム全体としての対処を可能にするからだ。リーダーやチームメンバーが、ひとりで悩んでいた問題や懸念事項が、皆の知るところとなり、対策が進むことによる心理的恩恵は計り知れない。
そして最後に、このテクニックは、「率直なフィードバックは尊重される」という明確なシグナルをチームに伝える。こうしたやりとりは、率直な意見交換というカルチャーをチーム内に根付かせることに重要な貢献を果たすのだ。
事態がまずい方向に向かっていたらすぐに誰かが知らせてくれるはずだ、と勘違いしているリーダーはあまりにも多い。このような単純な思い込みは、容易に大問題に発展し、またチームの士気の低下にもつながってしまう。
懸念の声が上がらないのだから万事うまくいっている、と考えるのはやめよう。必要なのは発想の転換だ。課題やリスク、障壁は存在する、という前提に立って、チームがそれらを忌憚なく議論できる環境をつくろう。きっと、そうしてよかったと思うはずだ。
(forbes.com 原文)