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2022.09.08

高級ワイン投資の将来性に期待、Cult Wineが新技術で事業拡大へ

熱心なコレクターを父親に持つトム・ギアリングは、高級ワインの世界で育った。その彼が世界でもまだ数少ない「ワイン投資会社」の1社を設立したことは、それほど不思議なことではなかったかもしれない。

英国で育ったギアリングは、買い付けに行く父親に連れられ、ブルゴーニュやボルドーなどの欧州各地の高級ワインの産地を何度も訪れていた。起業を決意したのは、大学在学中のことだ。投資銀行家の父親からも協力を得て、2007年に自宅をオフィスとして、「カルト・ワイン・インベストメント」を立ち上げた。

同社は現在、3億2000万ドル(約450億円)相当の資産を管理している。約125万本のワインを複数の定温倉庫に保管、専門家100人以上を雇用し、83カ国に顧客を持つ。

ギアリングによると、高級ワイン投資のリターンは、一般的には年率9〜10%だ。だが、なかには非常に“健全な”リターンを実現しているワインブランドもある。

例えば、カルト・ワインのデータベースによると、イタリアのワイナリー、エミディオ・ペペ(Emidio Pepe)の「モンテプルチアーノ・ダブルッツォ(Montepulciano d’Abruzzo)」と仏ローヌ地方にあるシャトー・ラヤス(Chateau Rayas)の「シャトー・ヌフ・デュ・パプ(Chateauneuf de Pape)」は、3年リターンがそれぞれ78%、198%となっている。

ギアリングは高級ワイン投資について、「ポートフォリオを多様化させる良い方法だ」「さらに、売らないと決めれば、飲むという選択肢もある」と語る。

高級ワインのポートフォリオ作成を支援


ワインへの投資においても、投資家たちが通常、優良株とその他の対象に何%ずつを投資するか検討するのと同じように考えることができる。ギアリングによると、同社は「顧客と話し合い、一人ひとりに合った高級ワインへの投資戦略を立てている」。

例えば、「リターンは控えめでも低リスクで投資したい」という顧客には大抵、ボルドーやブルゴーニュなどの“ブルーチップ”のワインを勧める。また、投資する期間は、最低でも3~5年をみるべきだと考えられることから、投資家に合わせたポートフォリオを作成するときには、リスク許容度だけでなく投資可能な期間やワインの投資水準も考慮している。
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編集=木内涼子

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