暗号通貨取所FTXの幹部らが「政治献金」に意欲を燃やす理由

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バンクマンフリードは、バリントの選挙運動にも献金をしており、上限額の2900ドルを直接寄付していた。シンの場合は、PACを通じて献金したため、献金額に限度が無かった。彼は、7月9日にPACの「LGBTQ Victory」に110万ドルを寄付しており、その直後に同PACは、バリントを支援する広告キャンペーンに99万1911ドルを支出していた。バリントは、バーモント州の上院議長代行を務める初の女性で、ゲイ公表者だ。

「バリントは、パンデミック防止を強力に訴えており、彼女の当選に興奮している。私はLGBTQ Victoryの活動を支援したいと思った。私の献金は個人的なものであり、FTXでの私の職務とは無関係だ」とシンは声明で述べている。

LGBTQ Victoryによる、個人からの献金をベースにした候補者への資金提供は、議論を呼んだ最高裁判決によって認められている。最高裁は、企業や団体が候補者を推薦し、年間5000ドルを上限に献金することを認めた。また、選挙運動と連携していなければ、候補者を支援するのに制限なく独立支出を行うことが認められている。

シンは、「Women Vote!」をはじめ、スタンフォード大学の学者が主導し、シリコンバレーからの献金を利用して民主党候補者を支援するPACの「Mind the Gap」や「Senate Majority PAC」に790万ドルを献金している。予備選挙は接戦になることが多いため、シンのように影響力を行使したいと考える富裕層にとって主な献金対象となっている。

7月末時点で、バンクマンフリードが支援するProtect Our Futuresは、全米で18の民主党予備選挙運動に2400万ドルを拠出している。同PACは、8月に民主党の予備選挙候補者4名に100万ドル以上を献金した。FTXの経営陣で多額の政治献金を行っているのは、バンクマンフリードだけではない。同社の共同CEOであるRyan Salameと、FTX DerivativesのCEOであるZach Dexterも、選挙運動やPACに多額の献金を行っている。

編集=上田裕資

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