「今後18カ月ほどの間に、新しく質の高いブロックチェーンゲームなどのプロダクトがリリースされることにより、数億人の人々が新たにオープンメタバースに参入する」と彼は述べている。
シウは、8月31日に開催されたUrban Land Instituteのアジア太平洋サミットのインタビューでそう述べた。彼は、現在ビデオゲームを日常的にプレイする32億人の人々がすでに“クローズドなメタバース”の中で活動していると述べている。ゲームに興じる人々は、仮想のアイデンティティを作り、デジタルのアイテムを手に入れており、多くのプレイヤーはそれが自分のものだと思っているが、ゲーム業界は実際のところ、アイテムをプレイヤーに貸し出しているというのが彼の見方だ。
インターネットの分散型バージョンであるWeb3は、デジタルの所有権をテック企業からユーザーの手に移し、オープンなメタバースでプラットフォームをまたいで利用可能にする。シウは、メタバースにおけるNFTの利用が増えることで、人々はこの自由がもたらす価値を理解するようになると語った。
シウは、Web3の普及に拍車をかけるのは若い世代だと述べている。「若い世代は、既存の金融システムが与える機会が、自分たちのものではないと思っている。しかし、Web3を使えば、自分たちでモノを作り、プラットフォームを超えて所有権を持つことができ、より多くの機会を生み出せる」と、シウは語った。
アニモカは、Web3への投資で世界最大級のポートフォリオを構築し、ブロックチェーン技術で構築されたオープンメタバースの主要な提唱者の一社となっている。今年4月の時点で、同社のポートフォリオは金融やゲーム、アートやソーシャルメディア分野の340プロジェクトに広がり、その価値の合計は15億ドルに達していた。
2014年設立のアニモカは、当初はスマートフォンやタブレット向けのゲームを開発していたが、シウによると2017年末にクリプトキティの開発元のDapper Labsと出会い、ブロックチェーンゲームとNFTへの注力を開始したという。
2018年から2019年にかけて、暗号通貨の冬が本格化する中で、アニモカはこの分野への投資を活発化させ、アクシーインフィニティの開発元のSky MavisやNFTマーケットプレイスのOpenSea、メタバースプラットフォームのDecentralandなどに、初期段階で出資した。また、サンドボックス(Sandbox)の開発元であるPixowlを買収した。
アニモカは7月に7500万ドルを調達し、評価額は59億ドル(約8280億円)に到達した。この調達は、1月に3億5900万ドルを調達したラウンドの第2弾として実施された。同社の出資元には、ジョージ・ソロスやウィンクルボス兄弟などが名を連ねている。
(forbes.com 原文)