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2022.09.07 07:00

配車アプリGrabがデジタル銀行始動、シンガポールのSingtelと共同で

Getty Images

東南アジアの配車サービス、グラブ(Grab)の運営元のグラブホールディングスとシンガポールの通信大手Singtelによるデジタル銀行の「GXSバンク」は、シンガポールの金融管理局からライセンスを取得してから2年近く経って、初の金融プロダクトを発表した。

GXSバンクは8月31日、顧客が最低残高要件なしで利息を得られる普通預金サービスのGXS Savings Accountを立ち上げた。同社は300万人以上のシンガポール人が利用するグラブとSingtelの両社の強みを活かし、銀行口座を持たない層を含む顧客にサービスを提供する。

GXSのシンガポール支社のCEOのチャールズ・ウォンは、同社が起業家やギグエコノミーワーカーらのニーズをサポートしていくと述べている。

昨年4月、マレーシアの中央銀行は、グラブ、Singtel、実業家のロバート・クオックのKuok Brothersによるコンソーシアムにデジタルバンキングのライセンスを付与した。当時、規制当局から与えられたライセンスは全部で5つだった。

グラブの今年上半期の純損失は9億7000万ドル(約1360億円)で、同社の配車サービスとデリバリー事業はまだ黒字化していない。グラブの上半期の売上高は前年同期比39%増の5億4900万ドルで、金融サービスの貢献額は2400万ドルと、全体の4.3%だが前年同期比では71.4%の急増だった。

テリマー・リサーチのNirgunan Tiruchelvamは、デジタルバンキングはグラブが金融サービス分野に進出するための「理想的な方法」であり、特に世界で最もスマートフォンの普及率が高いシンガポールの場合、この方法を採用するべきだと述べた。

「配車サービスとフードデリバリーがグラブの収益の柱になるだろう。しかし、株式市場はデジタル銀行を高く評価している」とTiruchelvamは述べている。

2012年にアンソニー・タンらが設立したグラブは、当初はタクシー予約アプリとして始動し、その後、プラットフォーム上にさまざまなサービスを組み込んだスーパーアプリに成長した。同社の配車サービスは現在、東南アジア8カ国の480都市で利用できる。

forbes.com 原文

編集=上田裕資

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