生産性を奪う「無駄な作業」を特定する方法

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生産性向上で最も大きな効果が期待できるのは、斬新なスケジュール管理テクニックを取り入れることではないことが多い。今している行動を一つか二つやめるだけで、劇的な改善が見られる。

筆者の創業したコンサルティング企業リーダーシップIQがインターネット上で実施し、数万人の従業員やリーダーが回答したアンケート「あなたの時間管理スキルはどの程度か?」では、就業時間のうち本当に価値をもたらす時間として使えているのは全体の半分未満だとした人が41%に上った。実に多くの人が、日々の仕事の大半を、重要でなく価値ももたらさない作業に費やしているということだ。

無駄で重要性が低い作業は無数にある。仕事のやり直しや、効率の悪い会議、読まれもしないレポートの作成、仕事中に起きる頻繁な割り込みなど、さまざまだ。生産性を向上させるカギとなるのは、付加価値をもたらさないこうした作業をいくつか見つけ、それを排除することだ(排除ができなくとも、延期したり優先順位を下げたりはできる)。

その方法としては、まず数日間にわたり自分の時間の使い方の記録を取る。複雑なやり方をする必要はなく、新たなタスクや作業を始める時にノートやスプレッドシートに具体的な作業の内容と開始時間を記録すればよい。初日を終えるころには、作成したリストの中に、時間の無駄となっている作業をいくつか見つけられるだろう。

こうして発見した時間浪費の原因を集めて、「やめることリスト」をつくる。1日に行うことの全てが等しく重要であることはまずない。中には、完全に無駄というわけではないが、本当に必要とも言えない行動もいくつかある。「やめることリスト」の最終目標は、排除したり延期したりすれば自分の生産性や集中力、やる気を向上させる可能性のある行動をいくつか特定することだ。

優秀な人は、重要性の低いものを排除せずに多くの仕事を引き受けてしまう傾向にある。やりがいのある新プロジェクトに取り組むのは良いことだが、その新しい仕事と、既に予定されている仕事とを比較検討することも重要だ。優秀な人は、一日の時間に限りがあることを忘れ、新しい仕事を詰め込みすぎて燃え尽きてしまうことも多い。新たなことを始めようとする時は、ほかのことをやめる覚悟をすべきだ。

自分の時間の使い方を記録するだけで、生産性が向上し、全体的により良い状態でいられる。前述したアンケートでは、自分の行動を記録している人は31%しかいなかったが、こうした人は一日の時間を本当に付加価値の高い重要な仕事に費やせていると感じる割合が非常に高かった。

最後に言及しておきたい点として、自分の時間を記録していると時に、全ての仕事が上司や顧客や会社から要求されているものだった、となることもある。ただし、排除できない仕事であっても、延期したり優先順位を下げたりできる可能性はある。

例えば、書いてもほとんど読まれることがないにもかかわらず、作成しなければならないレポート。作成自体はやめられないが、取り組む時間帯は選べる。一日の中で最も集中力や独創力が高まる時間帯は、自分のキャリアアップにつながるようなプロジェクトに費やそう。誰も読まないレポートの作成は、生産性の落ちる午後の時間帯に片付ければよい。

forbes.com 原文

編集=遠藤宗生

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