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2022.09.08 07:30

透明性と利便性に欠ける米自動車修理業界を改革するストレスフリー

(c)Stress-Free Auto Care

自動車修理サービスプロバイダーは、一貫した高品質な顧客体験を提供するための透明性と利便性に欠けている。2019年3月にクリス・トゥルリオとイノン・ワイスが設立したStress-Free Auto Care(ストレスフリー・オート・ケア)は「時代遅れのサービスセンターを、次世代自動車のためのテクノロジー対応で専門的に管理されたサービスセンター」に変革することを目指している。このスタートアップは、カリフォルニア州マウンテンビューに拠点を置いている。

同社は2021年夏に最新のラウンドをクローズした。トゥルリオとワイスは、この資金を「追加拠点の拡大、従業員のトレーニングプログラムへの投資、独自の社内ソフトウェアのさらなる開発」に充てる予定だ。Stress-Free Auto Careの従業員数は現在50人で、競合は、既存の自動車修理チェーン店やディーラーである。「現在のビジネスモデルは、一般消費者向け(B2C)と企業・団体向け(B2B)の一般自動車修理・メンテナンスサービスを提供することです。近い将来、既存の自動車修理工場に販売するために、現在社内で使用しているソフトウェアの外部化に取り組んでいます」と、トゥルリオはいう。

Watchfire Ventures(ウォッチファイヤー・べンチャーズ)の共同創業者兼マネージングパートナーであるショーン・コフェルは「革新的なテクノロジーで、エンド・ツー・エンドの顧客体験を管理・改善するというStress-Free Auto Careの取り組みは、我々が支援したいと思えるビジョンでした」と述べている。

――自動車修理業界を見てきた中で、全体的なカスタマーエクスペリエンスに欠けているものは何でしょうか?

トゥルリオとワイス:信頼、利便性、透明性そして最新技術の導入に失敗していることです。自動車修理業界におけるカスタマーエクスペリエンスは、ここ数年、どんどんダメになっています。業界の調査によると、3人に2人の顧客が自動車修理工場を信頼していないそうですが、これには理由があります。ほとんどの修理工場では、修理の内容や必要性など、何の脈絡もなく顧客に「見積もりは4500ドル(約63万円)です。修理をしますか?」という電話をするだけです。修理工場に行くのを歯医者に行くことと同じように感じるのは当然です。つまり、年に2回診察するのですが、何をやっているのかわからないし、なぜこんなに高いのか、その理由もわからないのです。

――CarDash(カーダッシュ)では、すばらしいカスタマーエクスペリエンスを確保するための限界があり、それがStress-Free Auto Careを作る必要に繋がったということですが、それは何だったのでしょうか? これは、自動車修理工場自身が解決できない、あるいは解決に関心がない問題だったのでしょうか?
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翻訳=上西 雄太

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