健康に配慮して腎臓を労わる「自分の手料理」 グロービス武井涼子の推しメシ

レモンとかぼちゃのリゾット、鴨肉ロースト

社会で活躍するリーダーや、著名なビジネスマンたちのエネルギーの源は何なのか? 彼らの「パワーフード」から、彼らのエネルギーの源を探るシリーズ。

今回は、グロービス経営大学院教授にしてオペラ歌手としても活躍する武井涼子さん。東京大学卒業後、電通に入社、マーケティング局に配属される。その後、外資系広告代理店で、ブランド戦略やインタラクティブ戦略を担当。2002年FIFAワールドカップでは、FIFAマーケティングのマネージャーとしてスポーツ・マーケティングに携わった。この間に国内の声楽コンクールで数々の賞を受賞。

その後コロンビア大学に留学し、MBAを取得。同時期に、ジュリアード音楽院で「Singing in French」クラスを受講し、コロンビア大学で声楽単位も取得する。

帰国後、マッキンゼーを経て、ウォルト・ディズニー・ジャパンに転職し、マーケティングと事業開発を担う一方、オーディションでプロフェッショナル声楽家団体、二期会に入会、オペラ歌手としても活動を本格化させる。

現在、グロービス経営大学院やフェリス女学院大学音楽学部で教鞭をふるう一方、アメリカ人指揮者ホルヘ・パローディをはじめとする海外のアーティストからも重用され、国内外のオペラやコンサートに出演。その音楽的キャリアは、日本経済新聞をはじめとしたメディアでも高く評価されている。

一般社団法人奏楽会事務局長。NewsPicks プロピッカーとして3万3千人のフォロワーを持ち、Forbes JAPANでは、オフィシャル・コラムニストとしても活躍するインフルエンサー。

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「全ての食事が一期一会」と考える武井さんの「推しメシ」は、自分で作る料理。IGA腎症を患い、一日塩分6g以内、タンパク質60g程度の食事制限を余儀なくされたのがきっかけだという。「意外と塩分は一食2gで充分。でも何だ、この見た目の悪い食事は、、、」。そんな入院食の体験から、自ら料理を工夫する事を決意。

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サーモンのパイ包み、ミスジのウェリントン風

それ以来、健康に配慮して腎臓を労わる「野菜多めで彩り豊か。カロリー控えめだけど、美味しく、お腹が満たされる」メニュー作りに勤しんでいる。「日本に、慢性腎臓病患者は1300万人いるそうです。高齢化社会になって健康的な食事が大事であるはずなのに、外食や加工品は、塩分が多過ぎる事に気がつきました。腎臓を患った事で、自分自身の食生活を見直す事になりました」。

元来、料理好き。友人を自宅に招いてお手製料理を振る舞うことも多かったが、塩分控えめの料理を作るようになって、自分の料理を皆が受け入れてくれるか心配になったという。しかし「杞憂でした」、味の工夫で塩気が物足りないと言われる事はほとんどないそうだ。

「外食は、お店を選ぶようになりました。減塩に応じていただけず、伺えない店も多いのです。ただ、この食事に切り替えてからは、自然に10kg以上減量し、3年経った今も体重をキープしています」という嬉しい効果も。

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韓国風アボカド丼、クレソンのポタージュ

お手製のロールキャベツやコロッケが日常的に食卓に並ぶ、料理上手な母親のいる家庭に育った武井さん。社会に出てからはどうしても外食が多かったが、自炊が増えたことで実感することもあるという。

「今になって、つくづく人間の身体は、食べたもので出来ているのを実感しています。香辛料や出汁を効かせて工夫した、塩に頼らない食事は、味覚が研ぎ澄まされるので、滋味深い味わいを感じられるようになりました。9月にはリサイタルも控えているので、体調を整えて臨みたいと思います!」

文=中村麻美

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