これらの新法は裁判に耐えられるのか? 連邦判事は、銃所有擁護派が起こした訴訟を原告不適格として8月31日夜に自身が却下したことを受け、新法の施行を承認した。しかし、判事は新法自身に対して懸念をもっており、原告が規定に従って再提訴した場合には取り消す可能性があることを示唆した。
原告の一部であるThe Gun Owners of America(米国銃所有者協会)は1日に声明を出し「この法律を完全に廃止するための努力を続ける意向」であり、上訴あるいは再提訴することを示唆した。ほかにも、かつての知事および議員候補者であるカール・パラディーノによる訴訟も係争中であり、さらなる訴訟を起こされる可能性は高い。
最高裁判所は6月23日にニューヨーク州ライフル・ピストル協会対ブルエン裁判(ブルエンはニューヨーク市警察本部長の姓)で、ニューヨーク州の従来の隠蔽携帯法を無効化し、同法が過度に面倒であるために「通常の自衛を必要とする遵法市民」による武器を携帯する権利の行使を妨げ、修正第14条に違反していると断じた。6対3の判決は、修正第2条を拡大的に解釈し、武器携帯の権利の定義には「自衛のために公共の場で拳銃を携帯する」ことが含まれると判断し、ニューヨーク州の法律は過度に範囲を広げており、銃の携帯が許されない「重要地点」とみなされる場所が多すぎると批判した。
裁定を受けてニューヨークの議員らはただちに特別議会を招集して新法を通過させ、隠蔽携帯改善法は7月1日に署名され成立した。判決からわずか1週間後のことだった。裁判所の決定はニューヨーク州に焦点を当てたものだが、この決定は州が許可証を「発行できる」と定める限定的な隠蔽携帯法を有する他のあらゆる州に影響を与える。該当するカリフォルニア州、デラウェア州、ハワイ州、メリーランド州、マサチューセッツ州およびニュージャージー州は、判決に従って州独自の規則を取り下げなくてはならない。
最高裁判所の判決を受けて他の州はそれぞれの隠蔽携帯法をどう扱うだろうか。マサチューセッツ州およびいくつかの地方自治体は、最高裁判所の判決が下された後、それに準拠した隠蔽携帯許可証に関わる新たな規則を通過させ、あるいは提出している。デラウェア州も最高裁判決の1週間後に、包括的な銃規制法案を成立させた。カリフォルニア州では、ブルエン判決に沿った新たな銃規制を課す法案が、9月1日に州上院議会でわずか1票差で否決されたが、議員らは年内に法案を再提出する意向であることをAP通信が伝えている。
(forbes.com 原文)