小売業界の収益は、最悪のシナリオに向かいつつある。典型的な高収益商品への自由裁量消費支出は減っている。このことは、秋と年末の重要なショッピングシーズンが貧弱な結果に終わる可能性を示唆している。
パンデミックの影響で生じたいわゆる大量辞職現象や、パンデミック中の小売業が、店舗や倉庫の人員を確保するために行った大量採用は、各社の収益にとって重荷となっており、多くの企業が従業員を解雇する状況に追い込まれている。
eコマースプラットフォームのショッビファイは7月、1万人の従業員を10%削減すると発表した。最近では、ファッション系のヴィクトリアズ・シークレットやスティッチ・フィックス、メガネ販売のワービー・パーカーなど、多くの企業が同様の発表をしている。
経営コンサルタント会社コーン・フェリーのクレイグ・ロウリー(Craig Rowley)は、現在の人員削減は、後に業績が回復したときに小売業者の悩みの種になる可能性もある、と述べる。ロウリーは、ModernRetail.comの取材に対してこう語っている。「経済は予測できない状況であり、顧客も予測不可能だ。2023年は、あらゆる企業のほとんどのリーダーにとって良い年にはならないだろうが、特に小売業ではそうだろう」
これまでも示唆してきたように、世界は非常にダイナミックに動き続けるので、目的意識を持って計画を立てるには、パニックを起こしたり過剰反応したりせず、先手を打つしかない。でも、どうやって?
簡単なことだ。顧客に聞けばいい。彼らは答えを知っている。集団的知性はずっと以前から存在する。投資会社、銀行、製造業、そして政府までもがこれを利用している。小売業にも転換期がやってきた。衝動的に反応するのをやめて、先読みを始めよう。
(forbes.com 原文)