米国人の半数、大麻が社会に「悪影響」と回答

米国の大麻に関する世論は二分している。米調査会社ギャラップが最近行った調査では、大麻が社会にもたらす影響について、50%が「悪い」、49%が「良い」と答えた。

米国人の半分ほどは大麻を試したことがある。大麻は38州で何らかの形で販売されているものの、連邦政府はいまも規制薬物に分類している。

大麻を消費する人の間では、大麻が利用者に良い影響をもたらすと思う人が70%、社会にとって良い影響があると考える人は66%だった。一方、大麻を使用したことが一度もない人はその逆で、72%が社会に悪影響をもたらすと答え、62%は利用者に悪影響があると考えていた。

興味深いことに、米国の成人の68%は大麻を合法化すべきと考えている。嗜好用大麻は現在、21歳以上であれば米国の19の州と首都ワシントンで合法的に使用できる。米金融サービス企業コーウェン(Cowen)によると、大麻の昨年の売上高は合法市場で250億ドル(約3兆5000億円)、違法市場では470億ドル(約6兆6000億円)だった。

ギャラップの調査では、米国人が大麻の使用とその影響をアルコールよりも好意的に捉えていることも判明した。同社が8月上旬に発表した別の調査結果では、米国人の75%がアルコールの消費が社会に悪影響を与えていると答え、71%は飲酒者に悪影響を与えていると回答。米国の成人の67%が飲酒をしており、48%は大麻を試したことがあると認めた。

大麻の使用は、民主党支持者と無党派に偏っている。ギャラップの調査では、大麻を使ったことがある人の割合は民主党支持者で53%、無党派では55%だったのに対し、共和党支持者では34%だった。民主党支持者の60%は大麻を好意的に捉えていたが、共和党支持者の64%は大麻が社会に悪影響を与えると考えていた。無党派の意見はそれぞれ49%で割れた。

この調査結果は、世界で最も人気の違法薬物である大麻と米国との複雑で微妙な関係を示すものだ。大麻は連邦政府により、乱用の可能性が高く医学的価値が一般的に認められていない「スケジュール(附表)I」の規制薬物に指定されており、これはヘロインと同じ分類になる。
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編集=遠藤宗生

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