スコアの低下は、成績が下位の児童ほど大きいことも判明した。2020年から2022年にかけて、上位10%の生徒の数学とリーディングのスコアの低下は、それぞれ3ポイント2ポイントだったのに対し、下位10%の生徒のスコアは、それぞれ12ポイントと10ポイント低下していた。
地域別で落ち込みが最も小さかったのは米国西海岸の生徒で、リーディングのスコアは1ポイント、数学のスコアは5ポイントの低下にとどまっていた。これに対し、北東部と中西部の生徒は最大の落ち込みを記録していた。
また、都市部や郊外、農村などの地区別でもスコアの変化に違いが見られ、研究者たちは、学校教育におけるテクノロジーと学業支援へのアクセスがこの格差を説明するのに役立つと考えている。成績が上位の児童は下位の児童に比べ、コンピューターや高速インターネット、静かな学習場所、学習を手助けしてくれる教師へのアクセスをより多く持っていた。
人種別では、黒人、ヒスパニック系の児童の成績の落ち込みが最も激しく、アジア系の児童には変化が少なかった。
NAEPによると、2021年から2022年の間にリモート学習を行った9歳の児童の割合は70%に達していた。この年は、児童の大部分が対面の事業を受けられない、もしくは対面とリモートのハイブリッド型の授業に移行した2年目の年だった。
新型コロナウイルス関連のロックダウンが全米で実施された2020年3月から、小学校の教師と学校関係者は、数週間のうちにまったく新たな学習スタイルへの移行を余儀なくされた。
ハーバード大学の調査によると、最も大きな打撃を受けたのは貧困率の高い学校に通う児童で、低・中貧困層の学校の児童よりもリモートの授業を受ける期間が約5.5週長かったとされる。リモートの授業期間が最も長かったのは、カリフォルニア州、イリノイ州、ケンタッキー州、バージニア州だった。ブルッキングス研究所の報告書によると、学校のスタッフの不足や生徒の欠席が事態をさらに深刻にしている。
(forbes.com 原文)