高まるトイレへの関心
ガーディナーがトイレに興味を持ったのは、20年ほど前、建築・デザイン関係の出版社に勤めていたときだ。2003年にオーランドで開催されたキッチン・バス業界の展示会を取材した際、業界の文化に触れて衝撃を受けたという。「それは水や資源を消費するばかりでした」と彼女はいう。トイレのコーナーで、画期的な節水技術を目にするかと思いきや、ほとんど目にすることはなかったという。
それ以来、この分野への関心が高まった。そして、ロイヤル・カレッジ・オブ・アートとインペリアル・カレッジ・ロンドンが共同で運営するプログラムで、インダスルリアルデザイン工学の修士号を取得することにした。そこで取り組んだプロジェクトが、ルーワットトイレの最初のバージョンとなる。2010年、彼女は会社を設立した。
数年以内に転換期が訪れる
その後4年間は、英国とマダガスカルでBtoCのアプローチに重点を置き、技術に磨きをかけた。しかし、事業を拡大するためには、公共事業やポータブルトイレのサービス会社など、サービスを提供するためのインフラが整備されているサービスプロバイダーと連携する必要があると考えるようになった。2017年、彼女はマダスカルで地元の人たちが運営し、家庭やポータブルトイレの整備を行うビジネスを立ち上げた。
同社はハードウェアのほか、詰め替え用やトイレの消耗品、ソフトウェア、廃棄物処理機器のリースなどの販売で収益を上げている。
ガーディナーは、都市部ではいわゆる非下水道衛生への関心が高まっていると見ているが、このコンセプトが広く受け入れられるようになるには、まだしばらくかかるだろうと考えている。「今後数年のうちに転換期が来るでしょう。でも、もう少し時間がかかるのです」と、彼女はいう。
(forbes.com 原文)