キャリア・教育

2022.09.06 15:00

「地球に恩を売ってしまおう!」 のんが考えるSDGs


しかし、世間には「自分の好き」を見つけられずにもがいている人も少なくない。

「そうですよね、『自分はこれしかない、これだ!』って決めて突き進むのは難しい、というのはよくわかります。なんの根拠もなく、それでも自信持ってないとやれないことだから。私の場合は『なんかいいかも』と思ったら、まずは一回やってみるようにしています。いつも、自分の気持ちにアンテナを張って、ちょっとでも『⁉』って思ったら『ずん!』と飛び込んじゃう。失敗するかもって不安も込みで、まずは挑戦してみたいんです」

彼女は大きな目をキラキラさせながら、真っ直ぐに質問者を見つめ返して話す。その表情は、どこか少年のようでもある。

「映画『さかなのこ』には、SDGs的な要素も含まれています。それは、自分の好きを追い求める生き方というところもそうですし、ジェンダーのことも。映画のいちばん最初に『男か女か、どっちでもいい』というメッセージが出てくるんです。

私自身、超越している作品と思って臨みました。性別をいちいち考える前に、ミー坊をとにかく『お魚好きの子』と捉えて演じました。演じてみて実感できたのは、やっぱり、性別や性差なんて関係ないんだなっていうこと。それは、見る人にも必ず伝わると思います」



冒頭のコメントにある通り、彼女は2020年、日本のSDGs認知拡大と推進を目的に発足した「ジャパンSDGsアクション推進協議会」から、SDGs Peopleの第1号に選ばれた。

「当初は葛藤もあったんですが、SDGsの項目をよく見てみたら、12項目目に『つくる責任 つかう責任』というのがあって。そのなかに、アップサイクルが含まれていたんです。もともと、着なくなったお洋服をリメイクするのが好きだったので、『あ、これってアップサイクルだ!』と気がついて、そこが共通項になりましたね。『よし、頑張ってSDGs People第1号になろう』と思うことができました」

そして今年、彼女のアップサイクルのアクションはひとつのブランドへと昇華した。

「自分の誕生日、7月13日にアップサイクルのブランド『ouiou(ウィ・ユー)』を立ち上げたんです。ブランドで掲げたテーマは『ライフ・with・推し』。アーティストの方々から、着なくなったお洋服をいただいて、それをアップサイクルし、ポーチなどの小物にしていきます。

モノを捨てずに、違う形に蘇らせ、誰かの元へ届ける。そして、それを手に入れた人は、まるで大好きなアーティストとともに生活しているような、そんな幸せな気持ちになれる。それが『oui ou』のコンセプトです」
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文=仲本剛 写真=秋倉康介 撮影場所=ITOCHU SDGs STUDIO

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