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2022.09.02 07:30

中国の格安Eコマース「拼多多」が好調、前年の4倍の利益

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中国の格安Eコマースサイト「ピンドォドォ(拼多多)」の創業者で元CEOのコリン・ハンは、同社が予想を大幅に上回る収益を計上したことで、1日で30億ドルもの資産を急増させた。

42歳のハンは、ナスダックに上場するピンドォドォの株式の28%を保有しているが、同社の株価は8月29日に14.7%上昇した。上海に本社を置く同社はその日、第2四半期の売上高が47億ドルで、前年同期比36%増となったと報告した。同期間の純利益は、前年同期のほぼ4倍の13億ドル(約1800億円)に達した。

2021年3月からピンドォドォの経営を率いているチェン・レイ(Chen Lei)は、同社の好調な業績が中国での需要の回復によるものだと考えている。彼は29日のアナリスト向け電話会議で、主要都市におけるパンデミック関連の規制の解除や6月の「6.18商戦」のキャンペーンの成功が、同社の成長を押し上げたと述べた。また、出張コストや各種のプロジェクトの経費が減少したことが利益につながったという。

アナリストは、マクロ経済環境の悪化がピンドォドォの株価の上昇に貢献したと述べている。ただし、同社の株価は過去12カ月では30%下落している。

一方で、同社の競合は最近、さほど良い結果を出していない。アリババは今月初め、前四半期の売上が横ばいだったと報告し、JD.comは同期間の売上が5.4%の増加だったと発表した。

ピンドォドォは1キロあたり1.7ドルの卵や1ドル以下のトイレットペーパーなど、安価な食品や日用品を消費者にアピールしている。「景気の悪化は彼らにとって追い風だ」と、シンガポールに拠点を置くDZT ResearchのKe Yanは言う。

深センの調査企業Blue Lotus Capital AdvisorsのShawn Yangは、ピンドォドォが動画アプリのDuoduo Videoを通じてセールの映像を配信し、クーポンを配布することでバーゲンハンターを引き留めていると述べている。彼はDuoduo Videoの1日のアクティブユーザー数が8000万人に上ると推定している。

ピンドォドォは、海外進出も目指しており、まずは米国に進出すると報じられている。この動きについて尋ねられたチェンは、海外市場は同社にとってチャンスの1つであり、「他の企業と同じことはやらない」と述べ、それ以上の詳細には触れなかった。

forbes.com 原文)

編集=上田裕資

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