キャリア・教育

2022.09.02 07:00

退社面接と2週間の通知期間を廃止する時期がきた


企業は、辞めた人を引き留めることで大きなリスクを抱えている。まともな人がいる一方で、組織で働いていたときに受けたひどい仕打ちに復讐しようとする悪意のある人たちもいるからだ。このような人は、競合他社にインサイダー情報を流したり、顧客リストを盗んだり、会社の所有物を破壊したり、その他の良からぬことをする可能性がある。このような人は、1~2日後に机を片づけてさよならを言い、残ったメンバーに仕事の割り当てをした後、退社させた方が無難だろう。

ガーデン休暇とは?


もっと大きな問題は、3カ月から6カ月以上の「ガーデン休暇」を取らせる場合だ。これは、上級管理職や営業担当者が辞表を提出する際に発生する。この言葉はガーデニングがライフスタイルである英国に由来しており、新しい仕事に就くまでの数カ月間、庭の手入れをするのだという。その前提は、基本的に離職者の邪魔をすることにある。例えば、ある投資銀行で、ロックスターの営業マンや証券マン、トレーダーが退社した場合、他の銀行員はその人の顧客を奪うか、少なくとも顧客が口座を閉じないようにするために奔走することになる。これは明らかに、労働者にとって非常に一方的で不公平なことである。

退社面接は時間の無駄


1950年代から変わっていないもう1つの慣習に「退社面接」がある。退社を申し出ると、その人は人事部に呼び出され、話を聞くことになる。人事担当者、場合によっては採用担当者やその他の役員は、退社の理由を丁寧に尋ねることだろう。

一見、脅迫的には見えないが、危険と隣り合わせの行為である。退社する従業員は窮地に立たされることになる。退社した人が、差別、不当な扱い、有害な職場環境、不適切な行為などの事例を挙げた場合、これらの申し立てに対する調査が行われる可能性がある。退社の理由について真実を語れば、上司、上級管理職、同僚、そして会社が彼らの行動についての精査、監査、社内レビューの対象となる可能性があるのだ。

その反動で、会社の人々は、退社時の発言を理由に、その人物に推薦状を出すことはなくなるだろう。残念だが、その従業員にとって、これは勝ち目のない状況なのだ。従業員は、この橋を崩さないように、みんなと会社について良いことを言わなければならないと感じることになるのだ。ほとんどの場合、退社面接は形式上のものであり、価値を高めるための正直な議論には向いていない。むしろ、質問に素直に答えた労働者に、将来的に多くの問題を引き起こす可能性があるのだ。

forbes.com 原文

翻訳=Akihito Mizukoshi

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